2004 Fiscal Year Annual Research Report
育成した重金属耐性植物の機能強化とそれによる重金属汚染土壌の浄化
Project/Area Number |
14560055
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
長谷川 功 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (40218441)
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Keywords | Phytoremediation / 重金属耐性 / 遺伝子導入 / カドミウム / Metallothionein / ケナフ / システイン合成酵素合成遺伝子 / Cysteine |
Research Abstract |
1.MT合成遺伝子CUP1導入ケナフの作成とCd耐性能の評価:将来の輪作体系構築を考慮し、ケナフにもCUP1遺伝子を導入して重金属耐性能を評価した。遺伝子導入ケナフ再生個体23株を作成し、各株についてCd耐性能を水耕法で検討した結果、最も高いCd耐性能を示したT19株は、Cd200μMでも枯死せず、体内Cd含量が2,300mgKg^<-1>となった。この株を挿し木によって栄養繁殖させたクローンを多数増殖させ、その一部についてLeaf Disk法によってCd耐性能を検討した結果、やはりCd耐性能が示された。 2.重金属耐性能の強化に関する検討:Cysteineはそれ自体が重金属を無害化するとともに、MTの主要構成アミノ酸である。そこで、MT合成遺伝子を導入した植物に、Cysteine合成酵素であるo-Acetylserine(thiol)lyase(CSase)を合成する遺伝子CS3Fを導入して過剰発現させれば重金属耐性能の強化が可能と考えた。そこで、まずケナフにCS3Fを導入してCysteine合成能の高い植物の作成を試みた。ケナフ138株にCS3Fを導入し22株を選抜し、さらにRT-PCRによる導入遺伝子発現量のCS21を選抜した。このCS21のCSase活性はWildの約10倍の酵素活性を示し、しかも恒常的に酵素活性が高いことが明らかとなった。 3.2種類の重金属耐性遺伝子の過剰発現による植物の重金属耐性能の強化:前述のメタロチオネイン(MT)合成遺伝子CUP1を導入して重金属耐性能を強化したケナフに、MTを構成するCysteineの体内濃度を増加することによって、より一層重金属耐性能を強化することを試みた。まず、2で作成したCSase合成遺伝子導入ケナフに、CUP1遺伝子をLeaf Disk法で導入を試みた。現時点では、km選抜によってCUP1遺伝子導入株の選抜を行っている。
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Research Products
(3 results)