2004 Fiscal Year Annual Research Report
Sphingomonas属細菌の細胞表層機能と合成高分子の分解
Project/Area Number |
14560068
|
Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
河合 富佐子 岡山大学, 資源生物科学研究所, 教授 (60118007)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 明生 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (00335621)
|
Keywords | ポリエチレングリコール / ポリビニルアルコール / 合成高分子 / Sphingomonas属細菌 / 分解遺伝子 / 分解オペロン / 高分子認識 / 遺伝子制御 |
Research Abstract |
ポリエチレングリコール(PEG)分解酵素はPEG脱水素酵素(PECDH)に続いて、PEG-aldehyde脱水素酵素及びエーテル結合開裂酵素をそれぞれ、精製、クローニングした。前者はnicotinoprotein aldehyde dehydrogenaseであったが、nicotinoproteinではaldehyde dehydrogenaseの報告は初めてである(T.Ohta et al.,Appl.Microbiol.Biotechnol.,in press)。また、後者はsuperoxide dismutase(SOD)と90%以上の相同性を示したが、SODがエーテル開裂に係るのは初めての報告である(M.Yamashita et al.,Appl.Microbiol.Biotechnol(2004) and J.Biosci.Biotechnol.(2004))。他方、PEGDHの上流及び下流の約16kbを解読し、10個のORFを見出した。そのうち、6個がpolycistronicallyにPEG培地で発現し、PEG分解オペロンであることを明らかにした(投稿準備中)。また、、数個のtranscriptional regulatorに該当するORFを見出したので、これらが遺伝子制御に係るかどうか、またTonBやpermeaseなどのreceptorらしい配列も存在するので、PEGの認識に係るかどうかを検討している。塩基配列の解読はSphingomonas macrogoltabidus strain 103で最も良く読めているが、別にstrain 203およびS.terraeについてもPEGDH遺伝子を含むPEGオペロンが保存されていて、各遺伝子の相同性は100%近い値を示した。細菌、分解遺伝子を有する各種Sphingomonas属細菌が巨大プラスミドを保有するということが報告され(T.Basta et al.J.Bacteriol.,186,3862-872(2004)),S.macrogoltabidusも150&450kbのプラスミドを保有することが調べられている。PEGオペロンがプラスミドにのっているかどうかを検討予定であるが、種の異なる上記2種菌株でPEGオペロンが存在し、SchiorophenolicaやS.paucimobilisでは存在しなかったので(未発表)、可能性は高いと考えている。 一方、ポリビニルアルコール(PVA)資化性Sphingomonas sp.113P3の酸化PVA加水分解酵素(OPH)を精製し、そのアミノ酸配列に基づいて遺伝子をクローニングした。その結果、OPHとPVA脱水素酵素(PVADH)遺伝子は近接し、共発現していると推測された。OPHの精製や詳しい特性解析は初めての報告である(W.Klomklang et al.,Microbiol, in press)。PVA分解遺伝子はPVAの存在しない培地でもかなり高く発現するが、やはりPVA培地で最もよく発現されるので、今度、dot blot analysisやRT-PCR,リアルタイムPCRで遺伝子の制御を解明する。 これらの研究は分解遺伝子が短期間にどのように誘導されたかを明らかにするとともに、遺伝子が直接高分子で制御されうるのか、2次メッセンジャーが作用しているのかどうか、高分子認識機構の有無などを明らかにするものである。
|
Research Products
(15 results)