2003 Fiscal Year Annual Research Report
セルロース誘導体の高次構造がキラル分割の際のエナンチオ選択性に及ぼす影響
Project/Area Number |
14560130
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Research Institution | National University Corporation Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
粕谷 夏基 東京農工大学, 農学部, 助手 (90262229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽生 直人 宇都宮大学, 農学部, 助教授 (10292575)
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Keywords | セルロース / キラル分離 / 液晶性 |
Research Abstract |
セルロースアセテート(市販品)や重合度を変えて調製したセルローストリフェニルカルバメートを用い、コレステリック液晶を与える溶媒・濃度の組み合わせを中心に検討した。酢酸セルロースでは、トリフルオロ酢酸やジクロロ酢酸、ジクロロメタン、ジオキサン、アセトン、N,N-ジメチルアセトアミド及びこれらの混合溶液の濃厚溶液系で光学異方性を確認した。また、セルローストリフェニルカルバメートでも2-ブトキシエタノール、2-(2-ブトキシエトキシ)エタノール、1,2-ジメトキシニタン、2-(2-エトキシエトキシ)エタノール、ビス(2-メトキシエチル)エーテルなどの溶液で光学異方性を確認した。 調製したセルロースリオトロピック液晶のコレステリック構造確認のため、偏光顕微鏡による液晶相の同定、紫外-可視分光光度計やレーザー回折を用いたコレステリック液晶の選択反射にもとづく螺旋ピッチの測定、掌性決定のためのORD測定などを試行しているが、現時点で選択反射の現象を確認していない。今後、液晶の相図を念頭に置きながら分子量や濃度の異なる系試料をつくり選択反射現象の確認を図る。 コレステリック相を与える条件に限りなく近い形で、キラルカラム充填剤のコーティングを行い、エナンチオ選択性と掌性との関係を続けて検討する。場合により、液晶相の固定を図るため、架橋その他の処理の検討も行っていく。
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