2002 Fiscal Year Annual Research Report
仮動的水平加力実験による木質系耐力壁の地震時特性の検証
Project/Area Number |
14560131
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
安村 基 静岡大学, 農学部, 助教授 (40143408)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名波 直道 静岡大学, 農学部, 助教授 (10291395)
|
Keywords | 仮動的実験 / 木質系耐力壁 / 地震時特性 / 時刻歴地震応答解析 / 荷重変形モデル / 国際研究者交流 / フランス |
Research Abstract |
合板を木材の枠組みに釘打ちした耐力壁について、仮動的水平加力実験を実施し、時刻歴地震応答解析の結果と比較した。試験体は、幅1.82m、高さ2.4mの枠組壁工法耐力壁で、204材よりなる枠組みに厚さ9.5mの針葉樹合板をCN50で釘打ちしたもので、1体について一方向加力試験、3体について正負繰り返し試験を行い、また1体ずつについて仮動的水平加力試験を行った。仮動的水平加力試験に用いた地震波は、El Centro NS波を最大加速度が400galおよび600galになるよう基準化したもので、慣性質量を5t、減衰定数を2%として実験を行った。また、正負繰り返し試験の結果をもとに、耐力壁における荷重・変形関係をモデル化し、時刻歴地震応答解析を行った。モデル化に当たっては、正負繰り返し試験における包絡線をFoschiのモデルと最大荷重以降の直線で近似し、また各ピークからの下り勾配、再加力時のソフトスプリングおよびハードスプリングの勾配を求めた。本モデルを用いた時刻歴地震応答解析の結果は、仮動的水平加力試験の結果と極めて良く一致し、本モデルが合板を釘打ちした耐力壁の地震時挙動をよく記述していることが確認された。 同様の試験体について高速加力実験を行い、加力速度が耐力壁の応答に及ぼす影響を調べた。加力は、加速度の影響を消去するため一方向加力を一定速度で行った。加力速度は、0.05,5,50kineの3種で、3体づつについて試験を行った。本試験の結果より、合板張り耐力壁では、加力速度は主として変形が50mm程度までに影響を及ぼし、終局耐力には大きな影響を及ぼさないことが分かった。また、本試験結果より減衰定数を求めると2%程度で、仮動的加力試験に用いる減衰定数は2%程度が適切であることが分かった。
|