2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14560142
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
青木 一郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40114350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 和士 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 助教授 (70301877)
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Keywords | マイクロネクトン / 音響計測 / ターゲットストレングス / ハダカイワシ / 鰾 |
Research Abstract |
1.音響散乱の主要要因となる鰾の形状を観察し、その形状を基に理論モデルを用いてTS推定を行った。トドハダカからは気泡を有する鰾が確認されたが、ナガハダカは鰾が著しく萎縮しており気泡の存在も確認できなかった、また、オオクチイワシは鰾状の構造を欠いていた。トドハダカの鰾長と体長にはアロメトリーの関係が見られ、成長に伴い鰾の寄与を減少させていることが判明した。TScmはナガハダカで-85.7dB(DCM)、オオクチイワシで-86.7dB(DCM)であった。一方、トドハダカのTScmは体長の増加に伴って小さくなり、TSが体長の二乗に比例しないことが明らかになった。 2.音響的手法によって2002年冬季におけるベーリング海アリューシャン海盆南部海域のコヒレハダカ成魚の分布を調べた。ハダカイワシ類により形成される散乱層は水深が500mを越えたあたりから深度280-400m層に現れはじめ、調査海域全体にわたり帯状に広がっていた。この魚群反応のほとんどはSAが-55dB以下と弱く、スケトウダラなど大型魚類による反応と容易に区別することができた。また、これらの散乱層において顕著な日周鉛直移動は確認されなかった。 3.コヒレハダカのTS理論推定に必要な魚体の密度と海水との音速比をDensity bottle法、およびTime of flight法により測定した。体長70.9〜104.0mmのサンプルにおける密度は1.027〜1.035g/cm^3(平均1.031)と、比較的狭い範囲に集中していた。冬季の生息水温(4℃)における音速比は約1.04であったが、この値は水温の上昇とともに約1.01まで減少した。
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Research Products
(1 results)