2002 Fiscal Year Annual Research Report
ミズクラゲの大量発生が仔稚魚および低次生物生産に及ぼすインパクトの定量的評価
Project/Area Number |
14560162
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
廣海 十朗 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (30112923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 正 東京大学, 海洋研究所, 教務職員 (00151572)
西田 周平 東京大学, 海洋研究所, 教授 (70134658)
荒 功一 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (40318382)
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Keywords | ミズクラゲ / 個体群バイオマス / 音響学的手法 / 大量発生 / 魚卵 / 仔稚魚 / 捕食圧 / クラゲスパイラル |
Research Abstract |
1 ミズクラゲ個体群サイズの定量的把握に向けた音響学的手法の確立 (1)魚群探知機200kHz反射像からミズクラゲ特有のパターンの存在すること、また、ミズクラゲ個体群バイオマス・サイズと反射強度(Sv)との間に一定の比例関係があることが判明した。 (2)この関係に基づき、春季(5月)東京湾における本種個体群バイオマスを定量的に評価した。 (3)反射ノイズにともなう感度低下など本手法の一層の確立に向け今後検討すべき課題が残されるものの、通常のネット法から得られるバイオマス推定値は有意に過小評価となることが明らかとなった。 2 ミズクラゲの魚卵・仔稚魚に対する捕食圧推定に向けた基礎的実験 (1)魚卵、仔稚魚のいずれもミズクラゲにより捕食されたが、捕食速度はミズクラゲのサイズならびに被捕食生物の濃度に大きく依存することが明らかとなった。 (2)捕食・閾値レベルの存在が示唆されたが、その一層の明確化、さらにミズクラゲの捕食の選択性の有無など今後検討すべき課題が明確となった。 3 クラゲ類の安定同位体比 (1)ミズクラゲ、アカクラゲ、カタクチイワシ稚魚の窒素ならびに炭素安定同位体比を測定した結果、ミズクラゲとアカクラゲは捕食・被捕食関係にあって、アカクラゲの食物段階がミズクラゲより1段階高いことが推察された。しかし、クラゲ類とカタクチイワシとの間には食物関係が認められなかった。
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