2003 Fiscal Year Annual Research Report
二枚貝レクチンが生殖組織において発揮する生理機能を探る
Project/Area Number |
14560167
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
永沼 孝子 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助手 (50250733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 智久 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (80240901)
村本 光二 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (90157800)
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Keywords | マベガイ / レクチン / トレハロース / 糖鎖認識部位 / S-S結合 / N型糖鎖 |
Research Abstract |
マベガイ外套膜レクチンPPLの生理機能について、前年度までに、(1)PPLは外套膜、♀の生殖腺、消化管に発現している。(2)PPLはgram陰性菌に対して強い凝集活性を有する。また、各種リポポリサッカライド(LPS)では0-抗原を有するsmooth LPSに対して相互作用を示す。(3)マベガイ外套膜には上記PPLとは別のTrehalose特異的レクチン(PPL-2)が存在する。子とが明らかになっている。 これをもとに、今年度は以下の検討を行った。 1.PPLはスチールヘッドマス卵、アメマス卵、ナマズ卵など数種の魚卵に存在するレクチンと一次構造の相同性を有しているにも関わらずその糖特異性が異なっていたことから、構造的相違が機能の違いに結びついている可能性があると考えられた。そこで、立体構造を解明する一手段として分子内S-S結合の箇所について検討を行った結果、他の魚卵レクチンですべて保存されS-S結合を構築しているCys4組のうちの1組が、PPLでは他のアミノ酸に置換されていた。さらに糖鎖認識部位とされている配列(-YGR-)の一部がPPLのみで他のアミノ酸(-YGE-)に置換されていることが明らかになった。この置換が他の相同性レクチンとの糖結合特異性の相違を引き起こし、異なる生理機能を与えるものと考えられた。 2.PPLの糖結合特異性をより詳細に検討する目的でFrontal affinity chromatographyを行った。PPLはアスパラギン結合型(N型)糖鎖のcore部分を強く認識し、core部分が修飾されるに従って結合定数は減少した。 3.外套膜から精製されたPPL-2は2量体で存在し、これまでに明らかになったN末端を含む部分配列にPPlとの相同性はなく、分子量も異なる別のレクチンであることが解った。またPPL-2は分子内に糖鎖を有している可能性が強く示唆された。但し糖結合特異性はPPLと類似しており、特にTrehaloseに強い結合特性を示した。
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[Publications] Aono, N., Naganuma, T., Abe Y., Hara, K., Sasada, H., Sato, E., Yoshida, H.: "Successful production of blastocysts following ultrarapid vitrification with step-wise equilibriation of germinal vesicle-stage mouse oocytes"Journal of Reproduction and Development. 49. 501-506 (2003)
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[Publications] Ogawa, T., Yonemaru, S., Naganuma, T., Hirabayashi.J., Kasai, K., Muramoto, K.: "Strong induction of apoptosis of T cell lines by conger eel galectins"Biomolecular Chemistry-A Bridge for the Future-. 134-137 (2003)
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[Publications] Yoshimi, K., Shoji, M., Ogwa, T., Yamaguchi, A., Naganuma, T., Muramoto, K., et al.: "Microstructure and orientation distribution of aragonite crystals in nacreous laver of pearl shells"Material Trans.. (in press).