2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14560174
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大鎌 邦雄 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (40292255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 純明 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40117479)
坂根 嘉弘 広島大学, 経済学部, 教授 (00183046)
仲地 宗俊 琉球大学, 農学部, 教授 (70180312)
杉原 たまえ 東京農業大学, 国際食料情報学部, 助教授 (20277239)
坂下 明彦 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (70170595)
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Keywords | 農業史 / 自治村落 / 農業集落 / セイフティーネット / アジア諸国 |
Research Abstract |
本プロジェクトの最終年度の本年は、研究報告書の作成に関して、事実認識の共有化と、比較軸の確認を目的として、韓国忠清北道青川面の同族集落において、農家調査を行った。調査に当たっては、忠北大学農業経済学科 朴鍾燮教授の協力を得、また当プロジェクトの問題意識を共有する北海道大学大学院農学研究科助教授朴紅先生にも参加して頂いた。 調査は、第一に高度経済成長の影響による労働力流出の実態把握と社会構造との関連に焦点を当てた。韓国の農家家族は、日本とは大きく異なり、「家の精神」に基づく「家」の縛りが希薄であることが確認された。第二に流出の結果農村部に残存した高齢者と流出した家族との関係について調査し、農地を含む財産の相続が基本的に男子分割相続であることから、農地の細分化と不在地主が多数発生していることが確認された。その結果農地の受委託関係が広汎に見られるが、日本のように集落を主体とする受託組織が見られず、個人間のつながりによる賃貸借が主流となっている。しかし第三に先祖祭祀に関しては、「同高祖八寸」という伝統的な親族組織で行われ、祭祀費用はこの親族組織による共同財産の運用で行われていることも確認できた。このように韓国の農業集落の社会維持機能は、日本と比較してかなり限定された機能に止まり、むしろ親族組織が主体となっていることが、調査の結論である。 これを共通認識として、各自の課題に沿って報告書の執筆を行った。
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Research Products
(5 results)