2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14560181
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
野見山 敏雄 東京農工大学, 農学部, 助教授 (20242240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 直達 東京農工大学, 農学部, 教授 (30015094)
波夛野 豪 三重大学, 農学部, 助教授 (30249370)
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Keywords | 地域通貨 / 農産物流通 / 産直 / 地産地消 / 産消提携 |
Research Abstract |
1.地域通貨の概査 既存研究成果,地域通貨事務局が開設しているホームページの検索および実査等から,国内の地域通貨の取り組みとして141団体が確認できた。だが,実際は200を超える取り組みがあるものと推測される。これらの地域通貨について価値尺度を基準にして分類すると,時間が45%,法定通貨(円)が22%,時間と法定通貨の併用が21%,その他が11%であった。また,媒体は紙券・チップが46%,通帳が21%とこの2種類で過半を占めている。 2.事例研究 地域通貨で農産物を取引している団体代表と当該農家に対して聞き取り調査を行った。対象は,ピーナッツ(千葉),ゆ〜ら(京都),おうみ(滋賀),神戸たべもの通貨(兵庫)などである。この結果,地域通貨は農産物流通との適合性は高いものの,(1)消費者による援農(農作業の手伝い)がなく交換メニューが少ない場合には,農家に地域通貨が滞留しやすいこと,(2)商品価格の全額を地域通貨で支払えないため,消費者側が地域通貨を使用しづらい等の短所があることが分かった。 3.地域通貨と農産物流通に関する理論的・実証的研究 地域通貨を利用した農産物取引の場合,コミュニティの構成員を信頼していることが前提であり,トレイサビリティーとは無縁である。また,地域を限定した地域通貨は,財とサービスの地域内循環を活性化させ,市場では評価されない価値を再評価できる概能をもっており,地産地消の目的に合致することが分かった。ただし,地域通貨が個別農業経営に及ぼす影響は限定的であり,コミュニティ構成員間の親睦と交流を図ることや地域活性化方策の象徴として取り組んでいる事例が多かった。 上記のような調査結果から,地域通貨を利用した農産物流通は今後急速に拡大するとは思われないが,地産地消や地域活性化の運動方策の一つとしてこれからも取り組まれるものと考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 野見山敏雄: "産直組織の動向と今後の展開-センター型産直10年の変化-"農林統計調査. 54・3. 24-31 (2004)
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[Publications] 野見山敏雄: "地域の循環と環境を創る農業への挑戦-新潟県笹神村の事例から-"農業と経済. 69・3. 101-107 (2003)
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[Publications] 野見山敏雄: "偽装表示問題と協同組合間協同の課題-農協生協間産直の新たな構築に向けて-"協同組合経営研究月報. 591. 8-15 (2002)
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[Publications] 波夛野豪: "地域通貨による地産地消の可能性"農業と経済. 69・5. 66-74 (2003)
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[Publications] 波夛野豪: "地域通貨を利用した農産物取引の可能性"農業経営研究. 40・4. 72-75 (2003)
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[Publications] 波夛野豪: "廃棄物再資源化システムにおける質的問題と技術要素"農業・食糧経済研究. 49・2. 39-47 (2003)