農村開発データベースを用いたタイ農業部門の過剰就業に関する数量的研究

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14560193
• Research Institution: Seinan Gakuin University
• Principal Investigator: 新谷 正彦 西南学院大学, 経済学部, 教授 (70069706)
• Keywords: タイ農業部門 / 農村開発データベース / 生産関数 / 過剰就業

Research Abstract

平成15年度に、新しく2001年の「農村開発データベース」を入手した。1986年より2001年に至る入手済みのデータより計測した生産関数の計測結果は、統計的にも、理論的にも納得できるものでなかった。代替策として、中央平原のスパンブリ県の3か村で、1987年と1998年とに、Ohtsuka、Isvilanonda、およびHossain等がおこなった農家経済調査の個別結果表(サンプル数:1987年142、1998年101)の提供を受け、期待どおりの生産関数の計測結果を得た。この結果を用いて労働の限界生産力を推定し、それらと賃金率とを比較した結果、サンプルのうち2/3の農家が労働投入を合理的におこない、1/3の農家が過剰労働投入をおこなっていたという結果を得た。これらの結果は、3つの論稿として、発表された。なお、生産関数として、伝統的な生産関数と確率的フロンティア生産関数とが計測され、前者が2つの論稿で、後者が1つの論稿で発表された。加えて、生産関数の計測に用いられたスパンブリ県の同一の3か村において、カセサート大学のAungusmalin準教授の助力を得て、平成15年12月と平成16年1月とに、178戸の農家経済調査を実施し、現在、分析作業中である。

Research Products

• [Publications] 新谷正彦: "タイ国農家家計の合理的行動"西南学院大学経済学論集. 第38巻・第3号. 163-186 (2004)
• [Publications] 新谷正彦: "タイ国農家家計の合理的行動と技術効率"西南学院大学経済学論集. 第38巻・第4号. 209-243 (2004)
• [Publications] 新谷正彦: "タイ国中央平原の農村の変貌"東京大学東洋文化研究所紀要. 第145冊. 265-292 (2004)