2003 Fiscal Year Annual Research Report
農業用水路・溜池における地域生態系モデリングと近自然工法の評価
Project/Area Number |
14560205
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Research Institution | Ishikawa Agricultural College |
Principal Investigator |
一恩 英二 石川県農業短期大学, 農業工学科, 講師 (10320912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平松 研 岐阜大学, 農学部, 助教授 (90271014)
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Keywords | 農業用水路 / 溜池 / 生態系モデリング / 近自然工法 |
Research Abstract |
農業用水路・溜池において生態系とその環境条件について調査した.農業用水路は石川県の手取川七ケ用水で,溜池の調査は滋賀県水口町および大津市で行った.これらの調査結果から新たに得られた知見は以下のとおりである. 1.七ヶ用水は年間を通じて支線水路では23℃以下と低水温であること,溶存酸素量は7mg/L以上と高いこと,上流ほど水深と流速は大きく,上流部の流速は2m/sを越えていることが分かった. 2.七ケ用水中流部においては,水深と流速の多様性と底生動物の種の豊富さについて相関関係があり,種の豊富さは流速の多様性により強い相関があることが分かった. 3.七ヶ用水の支線水路では,全26種の淡水魚類が確認され,取水口から降下した魚,海域および河川から遡上した魚,周年水路で生活する魚に大別できることが分かった. 4.七ヶ用水では,全11種の水生植物が確認され,下流ほど種が豊富であることが分かった.また,流速が1m/Sを越える上流部には,ほとんど水生植物が存在しないことが分かった. 5.七ヶ用水では,カゲロウ類などのきれいな水に生息する底生動物が上流部に分布することが分かった. 6.大津市と水口町に分布する溜池の生態調査の結果,多くの溜池は他の水域から孤立しており,比較的単調な生態系を構築していること,都市部にある溜池は外来魚などの無断放流が見られ,溜池本来の生態系が崩れていることが明らかとなった. 7.大津市と水口町の水質,プランクトンおよび周辺環境調査の結果,溜池水質と植物プランクトンの優先種は溜池の形状,集水域と相関性があることが明らかとなった.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Hiramatsu, K., Sato, A., Kawachi, I., Itagaki, H.: "Nutrients Residual in an Irrigation Pond-A Case Study of Higashiike-"Proc.IRCSA. 600-605 (2003)