2003 Fiscal Year Annual Research Report
有用野草の種子増殖による草地造成技術開発に関する研究
Project/Area Number |
14560225
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Research Institution | UNIVERSITY OF MIYAZAKI |
Principal Investigator |
西脇 亜也 宮崎大学, 農学部, 助教授 (60228244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
槐島 芳徳 宮崎大学, 農学部, 助教授 (10253808)
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Keywords | 有用野草 / 種子増殖 / 採種機 / 草地造成 / チガヤ / ススキ / 風散布種子 / 緑化 |
Research Abstract |
槐島らによって考案された摘採機を用いれば、手で穂をしごいて種子を採種する従来の方法と同様の品質でありながら効率的に採種が可能であると期待される。この技術を応用して試作された「採種機」は、初期型では手摘みと大差ない効率であったが、改良型では高品質な野草種子を手摘みの約10〜30倍の効率で収穫することが可能であった。このことは野草の採種コストを大幅に低減可能となる重要な成果である。しかしながら、吸引口を野草の穂や花茎まで持ち上げる必要があるなど、作業性に難があることが判明したため、実用化に当たってはその点についての改良が必要であると考えられた。また、様々な野草種子について採種を行った結果、重力散布種子だけでなく、ススキやチガヤなどの毛を有する風散布種子でも採種効率が高いことや、採種された種子の発芽率は手摘みと遜色ないことも明らかとなった。さらに、有用野草のチガヤでは、系統によっては、種子休眠が無く、種子が大きいものがあり、種子による草地造成に有望であることが判明した。この系統は従来知られていた系統とは遺伝的にまったく異なる系統であった。そこで、この系統を利用した草地造成試験を開始した。すなわち、東九州自動車道の高速道路法面の高層基盤吹き付け工法に、試作された「採種機」により採取された宮崎産のチガヤ2系統の種子を用いた結果、現地で発生した表土を利用した場合にはチガヤなどの在来野草の定着が良いことが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Aki MIZUGUTI, Aya NISHIWAKI, Yasuhiro SUGIMOTO: "Genetic distance between two types of Imperate cylindrica (L.) BEAUV. characterized by flowering phenology"Grassland Science. 50(in press). (2004)
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[Publications] 渡辺也恭, 八谷絢, 西脇亜也, 板野志郎, 菅原和夫: "放牧利用人工草地におけるハルガヤ(Anthonoxanthum odoratum L..)とミノボロスゲ(Carex albata Boott)の生育環境"日本草地学会誌. 49・6. 611-615 (2004)
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[Publications] 水口亜樹, 西脇亜也, 杉本安寛: "開花時期の異なるチガヤ(Imperata cylindrica (L.) BEAUV.)2タイプ間の形態的差異"日本草地学会誌. 49・4. 324-329 (2003)
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[Publications] 水口亜樹, 西脇亜也'小山田正幸, 杉本安寛: "宮崎大学構内における開花時期の異なるチガヤ(Imperata cylindrica (L) BEAUV.)2タイプの分布"宮崎大学農学部学術報告. 49・1. 89-94 (2003)
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[Publications] 水口亜樹, 西脇亜也, 小山田正幸, 杉本安寛: "チガヤにおける開花時期の異なるタイプ間の種子発芽特性の違い"日本草地学会誌. 48・3. 216-220 (2002)
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[Publications] Nagata, M., Shrestha, B.P., Gejima, Y.: "Study on image processing for quality estimation of strawberries (Part 2) -Detection of bruises on fruit by NIR image processing-"Journal of Society of High Technology in Agriculture. 14. 1-9 (2002)
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[Publications] HANS DE KROON, LIESJE MOMMER, AYA NISHIWAKI: "Ecological Studies, Vol.168,Root Ecology ; Root competition, towards a mechanistic undestanding"Springer-Verlag Berlin Heidelber. 394(16) (2003)