2003 Fiscal Year Annual Research Report
アルファルファの根系の発達と機能に及ぼすアンモニア態窒素と硝酸態窒素の影響
Project/Area Number |
14560229
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Research Institution | Minami Kyusyu University |
Principal Investigator |
廣瀬 大介 南九州大学, 環境造園学部, 助教授 (80269125)
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Keywords | アルファルファ / アンモニア態窒素 / α-ナフチルアミン / 根系 / 硝酸還元酵素 / 硝酸態窒素 / 窒素肥料 / 養水分吸収能 |
Research Abstract |
1.施肥窒素の化合形態の違いによるアルファルファの生育と根系発達の差を硝酸還元酵素活性から明らかするための実験を行った。 その結果,アルファルファの硝酸還元酵素は,葉に局在することが示された。また,窒素濃度30ppmまでは,窒素を速やかに利用できる酵素活性を有していることが示された。さらに,ごく初期の生育段階(播種後30日目まで)では酵素活性は,低く,その後,生育に伴って急速に高まることが示された。これらのことから,これまでの窒素濃度20ppmで行った一連の実験において硝酸態窒素を施用したアルファルファの生育と根系発達がアンモニア態窒素を施用したものに比べ劣ったのは,アルファルファの硝酸還元能力を上回る窒素量を施用したためではなく,ごく初期の段階で硝酸イオンを十分に吸収できなかったことが一因であることが示唆された。 2.培地の窒素濃度を10ppmから40ppmまで10ppm刻みで変えてアンモニア態窒素と硝酸態窒素をそれぞれ施用したアルファルファの根系発達を比較すると根長はいずれの窒素濃度でもアンモニア態窒素施用の方が長くなったが、根系の分枝発達は、窒素濃度10ppmと20ppmではアンモニア態窒素の方が、30ppmと40ppmでは、逆に硝酸態窒素の方がそれぞれ優れた。 そこで、このような根系発達の違いを根の養水分吸収能力(α-ナフチルアミン酸化力)から明らかにするための実験を行った。その結果、ごく初期の生育段階(播種後40日目まで)では、いずれの窒素濃度でもアンモニア態窒素施用の方が養水分岐収能力が優れたが,その後は,アンモニア態窒素施用のものと硝酸態窒素施用のものでは差は見られなかった。これらのことから、施肥窒素の化合形態の違いによる根長の差は,ごく初期の生育段階での養水分吸収能の差により生じていることが明らかとなった。しかし窒素濃度による根系の分枝発達の違いは、板の養水分吸収能の差により生じたのではないことが示された。
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