2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14560232
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
神 勝紀 信州大学, 農学部, 教授 (40215166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 浩二 信州大学, 農学部, 教授 (20111784)
唐澤 豊 信州大学, 農学部, 教授 (30060528)
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Keywords | ニワトリ / 熱産生量 / 呼吸商 / 飼料摂取量 / 飼料エネルギーレベル / 飼料タンパク質レベル / 腹水症 / 食餌性熱産生 |
Research Abstract |
1.システムの一部修整 研究開始年度の14年度に組み立てたニワトリ用間接熱量測定装置を用いて熱産生量測定の実験を行っていたが、夏季になると測定値が不安定になることが判明した。これは空気の湿度が高くなるために、既存の電子除湿機では測定セルに導入されるサンプルガスを除湿しきれなくなったためと思われた。そこで空気を事前に圧縮し、高分子分離膜で除湿してから呼吸チャンバーに導入する方式に変更したところ、良好な結果が得られるようになった。 2.寒冷と熱産生量 熱的中性圏あるいは寒冷条件で維持したブロイラー雄(4週齢)に標準および高エネルギーの飼料を給与して、摂食量、成長、熱産生量および腹水症の生理学的指標を測定した。その結果、寒冷曝露すると摂食量は増加せず成長が遅れるが、このような負の影響はエネルギー摂取量の増加によつて解決されることが判明した。ただし、寒冷曝露時に高エネルギー飼料を給与すると筋肉における熱産生促進と心臓肥大が認められた。以上は、成長促進による熱産生量の増加が循環系に負荷を与え、その結果として腹水症が発生することを示唆している。 3.栄養素と熱産生量 鶏の食餌性熱産生を最も効果的に誘導し得る栄養素を検索する目的で、種々のタンパク質レベルの飼料をブロイラー雄(4週齢)に給与し、食餌性熱産生量と呼吸商の経時的変化を測定した。食餌性熱産生量は給餌直後から増加し、4時間目にピークに達し、その後漸減した。このピークの高さは飼料タンパク質レベルの増加に伴って高くなるが、20%以上ではさらなる向上はなかった。呼吸商は給餌直後から増加し、6時間目にピークに達し、その後漸減した。このピークの高さは飼料タンパク質レベルの増加に伴って低くなった。食餌性熱産生量のピークと呼吸商のピークに2時間のタイムラグがあったことから、食餌性熱産生は必ずしも飼料エネルギーの燃焼によって生じるものではない可能性が示された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 大島裕治, 神 勝紀, 唐澤 豊: "寒冷曝露したブロイラーの栄養素利用性と腹水症発生率"日本家禽学会誌. 40巻・春季大会号. 50 (2003)
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[Publications] 大島裕治, 神 勝紀, 唐澤 豊: "寒冷曝露された成長中ブロイラーの絶食熱産生"日本家禽学会誌. 40巻・秋季大会号. 40 (2003)
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[Publications] 大島裕治, 神 勝紀, 唐澤 豊: "高ME飼料の給餌が寒冷曝露したブロイラーの成長と腹水症発生に及ぼす影響"日本家禽学会誌. 41巻・春季大会号. 27 (2004)
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[Publications] 神 勝紀, 西川暁子, 大島裕治, 唐澤 豊: "飼料のタンパク質含量が成長中ブロイラーの食餌性熱産生に及ぼす影響"日本家禽学会誌. 41巻・春季大会号. 45 (2004)