2004 Fiscal Year Annual Research Report
鶏精子の先体反応及び運動調節におけるシグナル伝達機構に関する研究
Project/Area Number |
14560236
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
芦沢 幸二 宮崎大学, 農学部, 教授 (60128353)
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Keywords | 精子 / 鞭毛運動 / 先体反応 / 運動調節 / リン酸化 / 脱リン酸化 / 細胞内情報伝達 / PP1 |
Research Abstract |
本実験は、プロテインホスファターゼ阻害剤である、タウトマイシン、オカダ酸、カリクリンAと活性剤であるC_2-ceramide及びC_6-ceramideの添加が、鶏精子の運動性と先体反応にどのような影響を与えるかを検討したものである。 40℃で精子をインキュベーションすると不動化を起こしていた。これにタウトマイシン、カリクリンAを添加すると、IPVLの有無にかかわらず20%以上の運動性が得られた。しかし、オカダ酸添加による運動促進効果は約10%と低い値を示した。一方、先体反応誘起率は、IPVL存在下において、いずれの阻害剤を加えた場合も30%以上誘起されていた。また、IPVLの有無にかかわらず、40℃で不動化を起こしている精子にC_2-ceramideやC_6-ceramideを添加しても、精子の運動は回復しなかった。しかし、IPVL存在下における先体反応誘起率は、C_2-ceramideあるいはC_6-ceramideを添加すると、非存在下の場合に比べて高い割合で誘起されていた。 40℃で不動化を起こしている精子にタウトマイシン、カリクリンA、オカダ酸を加え、その後2mMCa^<2+>を添加すると、IPVLの有無にかかわらず運動回復効果が認められた。さらに、先体反応誘起率は、いずれの添加区も、IPVL非存在下よりも存在下の方が誘起された。一方、C_2-ceramideやC_6-ceramide添加後に2mM Ca^<2+>を添加すると、40℃で不動化を起こしている精子の運動性は上昇した。また先体反応誘起率も無添加区に比べて高い割合で誘起された。 以上の結果から、鶏精子の運動調節機構にはPP1が、先体反応制御機構にはPP1とPP2Aの両方による脱リン酸化が関与していると推察された。
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Research Products
(1 results)