2003 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス感染マクロファージが引き起こす感染病態悪化機構の解明
Project/Area Number |
14560246
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Research Institution | Tokyo University Agriculture And Technology |
Principal Investigator |
谷口 隆秀 東京農工大学, 農学部, 講師 (70282803)
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Keywords | マクロファージ / コロナウイルス / マウス肝炎ウイルス / TNFα / サイトカイン / ケモカイン |
Research Abstract |
宿主の免疫反応により病態が悪化する様々なウイルス感染症が報告されている。それらのウイルスの中には、マクロファージを標的とする様々なウイルスが存在する。ウイルスに感染したマクロファージは宿主体内を遊走してウイルスを全身に拡散するとともに、大量のサイトカイン・ケモカイン等の産生を引き起こし病態を悪化させる。 本年度、我々は劇症肝炎型株(MHV-3)、脳炎型株(JHM)および弱毒株(S)の3株のマクロファージでの増殖能およびサイトカイン等の遺伝子発現について検討した。MHV増殖能では、3株で有意な差は認められなかった。MHV-3感染マクロファージは、他の株と比べTNFα、MIP1-α等のmRNAが他の2株と比べ多く発現していることが明らかとなった。 一方、ネコ伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)は直接マクロファージに感染するだけでなく、抗体依存性にマクロファージに対して感染を増強する代表的なウイルスで、FIPVのSタンパク質は宿主の産生した抗体の主要なターゲットとなっている。FIPV I型ウイルスには強毒株から弱毒株まで様々な病原性を示す株が知られているが、詳細な研究は進んでいない。 そこで、本年度は、病原性の強いUCD 1株と病原性の比較的穏やかなUCD 3株のSタンパク遺伝子をクローニングしその塩基配列を比較した。その結果、UCD 3株はアミノ酸残基385-424領域で40アミノ酸(120塩基対)の欠失が見られることが明らかとなった。また、欠失領域を境として、N末側はアミノ酸配列のホモロジーが85%とC末側と比べ低いことが明かとなった。
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Research Products
(1 results)