2003 Fiscal Year Annual Research Report
酵素進化工学によるバイオプラスチック生産システムの最適化
Project/Area Number |
14560285
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
田口 精一 明治大学, 農学部, 助教授 (70216828)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平石 知裕 理化学研究所, 研究員 (20321804)
高瀬 和真 理化学研究所, 基礎特別科学研究員 (10342809)
前田 理久 明治大学, 農学部, 助教授 (70287887)
|
Keywords | 生分解性プラスチック / ポリヒドロキシブタン酸 / 進化工学 / 重合酵素 / 基質特異性 / モノマー組成 |
Research Abstract |
バイオオポリエステル生合成酵素の質的改変をとおして、ポリエステルの生産性・物性を積極的に改善する研究を展開している。すでに、生化学的研究の最も進んでいるRalstonia eutrophaのPHA重合酵素(PhaC_<Re>)の進化工学的分子育種法を確立している。今年度は、3HBをベースとしたPHA共重合体を合成できるPseudomonas sp.61-3重合酵素(PhaC_<Ps>)を対象に、望みの共重合組成(3HBとそれ以外のモノマーユニットとのモル比)を有するPHAの合成を実現する進化酵素を創成することを目指した。 対象酵素PhaC_<Ps>は、3HBベースのPHA共重合体を合成できるが、3HB基質取り込み能力が微弱であるという課題があった。そこで、この性質を逆に利用して、3HBだけから成るPHBホモポリマーの蓄積能力が向上する(PhaC_<Ps>の3HBに対する基質特異性向上あるいは全活性の向上)ということを指標としたスクリーニング系を構築した。この人工進化実験の特徴は、野生型酵素だと微量のポリマーしか蓄積できない組換え大腸菌(JM109株使用)との比較で、より多くポリマー蓄積する進化酵素保有大腸菌株を精度高く識別できる(ポジティブセレクション)という点にある。まず、PHB蓄積量向上を実現する優良変異を変異誘発PCR似法によって探索した。複数特定された優良変異点のうち、477番目のSerに着目し、このサイトにおいて総アミノ酸置換を実施した。全変異酵素を保有する組換え大腸菌(β酸化系変異株LS5218使用)によって生成されるポリマーの含量およびモノマー組成は、HPLCおよびGCにて分析した。 本ポジションにおいて総アミノ酸置換を行ったところ、JM109株でのPHBホモポリマー蓄積量において野生型を上回る変異体酵素が得られた。さらに、LS5218株にC4からC12までのモノマー基質を供給できる酵素遺伝子(phaA_<Re>B_<Re>J_<Pa>)を補強した状態で、各変異酵素遺伝子を導入した。その結果、PHA共重合体の生産性が向上すると同時に、モノマー組成の多様性が生じていた。このインビボでのPHA含量の向上あるいはモノマー組成変化から、477番目のポジションが酵素活性あるいは基質特異性決定に関与することが推定された。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] K.Takase, S.Taguchi, Y.Doi: "Enhanced synthesis of Poly(3-hydroxybutyrate) in recombinant Escherichia coil by means of error-prone PCR mutagenesis, saturation mutagenesis and --- of type II Polyhydroxyalkanoate synthase gene."J.Biochemistry. 133. 139-45 (2003)
-
[Publications] T.Tsuge, K.Taguchi, S.Taguchi, Y.Doi: "Molecular characterization and Properties of (R)-specific enoyl-CoA hydratases from Pseudomonas aeruginosa : metabolic tools for of designed Polyhydroxyalkanoate via fatty acid B-oxidation."Int.J.Biol.Macromol.. 31. 195-205 (2003)
-
[Publications] S.Taguchi, H.Nakamura, T.Kichise, T.Tsuge, I.Yamato, Y.Doi: "Production of polyhydroxyalkanoate (PHA) from renewable carbon sources in recombinant Ralstonia eutropha using mutants of original PHA synthase."Biochem.Engin.J.. 16. 107-113 (2003)
-
[Publications] Y.Suzuki, S.Taguchi, T.Hisano, K.Toshima, S.Matsumura, Y.Doi: "Correlation between structure of the lactones and substrates specificity in enzyme-catalyzed polymerization for the synthesis of polyesters."Biomacromolecules. 4. 537-543 (2003)
-
[Publications] T.Tsuge, T.Hisano, S.Taguchi, Y.Doi: "Alteration of chain length substrate specificity of Aeromonas caviae R-enantiomer-specific enoyl-coenzyme A hydratase through site-directed mutegenesis."Appl.Environ.Microbiol.. 69. 4830-4836 (2003)