2003 Fiscal Year Annual Research Report
消化管上皮の再構築に関わる結合組織因子の機能的解析
Project/Area Number |
14570025
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
岡 敦子 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (50175254)
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Keywords | 消化管 / 再生 / 甲状腺ホルモン / エレクトロポレーション / 組織間相互作用 / 器官培養 / bZip / MMP |
Research Abstract |
アフリカツメガエル(Xenopus laevis)の消化管上皮は、変態期に甲状腺ホルモン(TH)を引き金として、幼生型から哺乳類類似の成体型上皮へと再構築される。この上皮再構築の機構を分子レベルで解明するため、本研究では、TH応答遺伝子の機能的な解析を進めている。本年度は、TH応答遺伝子の1つとしてクローニングされたbZip遺伝子を用いて、遺伝子の機能解析のための培養アッセイ系を開発した。エレクトロポレーション法を用いて小腸上皮への遺伝子導入を行い、遺伝子発現が小腸に及ぼす作用を、器官培養下で免疫組織化学的手法により細胞レベルで解析した。その結果、bZip遺伝子の強制発現は、(1)TH存在下において成体型上皮の細胞増殖を促進するが、(2)TH非存在下では、成体型上皮の幹細胞を誘導できない、ことを明らかにした。現在、この培養アッセイ系を用いて、他のTH応答遺伝子(Shh等)についても、その機能を解析中である。 また、申請者らはこれまでに、線維芽細胞で発現するストロムライシン-3(ST3;MMP11)が、TH存在下で幼生型上皮のアポトーシスを促進することを、培養実験により明らかにした。本年度は、TH非存在下でのST3の作用を明らかにするため、熱ショックによりST3遺伝子を強制発現するように作製したトランスジェニックガエルを用いて、電顕観察を行った。その結果、ST3は、TH非存在下であっても基底膜の構造的変化を起こし、TH存在下に比べて頻度は低いものの、上皮のアポトーシスを誘導することを明らかにした。このことから、再構築時に上皮で大量に生じるアポトーシスには、TH受容体によって活性化される細胞内シグナル伝達経路の他に、ST3の発現によってもたらされる細胞外マトリックスを介した細胞外シグナル伝達経路が関与していることが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ishizuya-Oka, A., Shimizu, K., Sakakibara, S., Okano, H., Ueda, S.: "Thyroid hormone-up-regulated expression of Musasbi-1 is specific for progenitor cells of the adult epithelium during amphibian gastrointestinal remodeling."J.Cell Science. 116. 3157-3164 (2003)
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[Publications] Amano, T., Fu, L., Ishizuya-Oka, A., Shi, Y.-B.: "Thyroid hormone-induced apoptosis during amphibian metamorphosis. In : Molecular mechanisms of programmed cell death. (Eds. Shi, Y, Cidlowski, J.A., Scott, D., Wu, J., Shi, Y-B.)"Kluwer Academic/Plenum. 9-19 (2003)
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[Publications] Ishizuya-Oka, A., Amano, T., Fu, L., Shi, Y.-B.: "Regulation of apoptosis by extracellular matrix during postembryonic development in Xenopus laevis. In : When cells die? II : A comprehensive evaluation of apoptpsos and programmed cell death. (Eds. Lockshin, R.A., Zakeri, Z.)"John Wiley & Sons. 123-141 (2004)