2002 Fiscal Year Annual Research Report
脾洞内皮細胞収縮機構の微細構造学的解析-ストレスファイバーの収縮とCa^<2+>の動態
Project/Area Number |
14570032
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
上原 清子 福岡大学, 医学部, 助教授 (00084244)
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Keywords | 脾洞 / 内皮細胞 / IP_3Rリセプター / リアノジンリセプター / Ca^<2+>貯蔵小胞体 / カベオラ / ストレスファイバー / 微細構造 |
Research Abstract |
脾洞の内皮細胞のストレスファイバーに近接してカベオラ、小胞体、骨格筋の横小管に類似した小管系が存在していることから、ストレスファイバーの収縮には位置的に近いCa^<2+>による調節機構があると推定される。本研究の目的は内皮細胞のストレスファイバーの収縮と細胞内Ca^<2+>動態との関連を明らかにすることである。今年度は、Ca^<2+>の動員機構について微細構造学的に調べた。脾臓の組織凍結切片をIP3レセプター、リアノジンリセプターの抗体を用いて免疫染色し、局在を共焦点レーザー顕微鏡で調べた。さらに、免疫電子顕微鏡法を用いて、微細構造学的局在を調べた。また、筋小胞体や横小管を選択的に染色するフェロシアン化鉄オスミウム法を用いて試料を作成しCa^<2+>貯蔵細胞内小管系の微細構造学的分布および細胞小器官との関係を調べた。 (1)共焦点レーザー顕微鏡の結果: IP3レセプター、リアノジンリセプターどちらも細胞質全体に紐状に分布していた。ストレスファイバーに近い位置に分布していた。これはフェロシアン化鉄オスミウムで観察された電子密度が高い小胞体状の形態および分布に類似していた。 (2)フェロシアン化鉄オスミウム法: フェロシアン化鉄オスミウムに反応して電子密度が高くなった小胞体状の構造は細胞質全体に錯走し分岐・吻合して、ネットワークを形成していた。暗い小胞体状の構造は形質膜に非常に接近し、並行に走る像も観察された。この小胞体はカベオラ、ミトコンドリアに接近していた。核膜も反応して電子密度が高くなっていた。 (3)免疫電子顕微鏡法による観察: IP3レセプター、リアノジンリセプターどちらも管状構造、核膜に金粒子のラベルが観察された。リアノジンリセプターは形質膜に近い小胞体構造の形質膜側に反応がみられた。また、ミトコンドリアのクリステ、カベオラに近い小胞体にも反応が見られた。
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