2002 Fiscal Year Annual Research Report
心筋クロライドチャネルによる細胞容量及び細胞内浸透圧調節機構の解析
Project/Area Number |
14570041
|
Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
頴原 嗣尚 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (50037446)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 信太郎 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (40336110)
|
Keywords | 心筋細胞 / 容積感受性Cl電流 / 細胞容積 / 調節性容量減少 / DIDS |
Research Abstract |
心筋における容積感受性Cl電流(I_<Cl,swell>)による細胞容積調節 CCDカメラで撮影した細胞像をコンピュータで高速処理し、細胞輪郭の占める面積を経時的連続的に算出する方法により、モルモット心室筋細胞容積の変化を迅速に観測し、次のような成果を得た。 高KCl液で脱分極させた細胞にadrenalineを作用させると、細胞の容積増加(膨化)が起こる。高KCl液中でadrenalineを除くと細胞は膨化したままであるが、そのとき外液を正常Tyrodeに戻すと膨化は消褪する(細胞縮小)。さまざまな外液の効果を検討した結果、Clの平衡電位(E_<Cl>)が膜電位(E_m)よりpositiveになる条件で、膨化した細胞の縮小が起こることがわかった。この細胞縮小はDIDS、glibenclamide、furocemideによって抑制された。以上の所見は観察された細胞縮小にI_<Cl,swell>が関与していることを示唆する。次に、心室筋細胞を正常K高Clの低張液に浸すと細胞は膨化するが、この膨化は低張液中で自然に部分的に回復すること(細胞縮小)が観察された。すなわち心室筋細胞において調節性容量減少、(RVD)が起こることが確認された。このRVDは正常K低Clの低張液中(E_<Cl>>>E_m)で増強し、高KClの低張液中(E_<Cl><E_m)ではRVDは発生せずに逆に細胞膨化が亢進した。前者RVDおよび後者細胞膨化亢進はともにDIDSによって抑制された。以上の結果から、心筋細胞もRVDを示すこと、そのRVDにI_<Cl,swell>が関与していることが示唆された。 以上、心筋においてI_<Cl,swell>が細胞容積調節に関わっていることが示された。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Ishihara, K.: "Inward rectifier K^+ current under physiological cytoplasmic conditions in guinea-pig cardiac ventricular cells"J. Physiol.. 540. 831-841 (2002)
-
[Publications] Kaibara, M.: "Identification of human Kir2.2(KCNJ12) gene encoding functional inward rectifier potassium channel in both mammalian cells and Xenopus oocytes"FEBS Lett.. 531. 250-254 (2002)
-
[Publications] Matsuura, H.: "Rapidly and slowly activating components of delayed rectifier K^+ current in guinea-pig sino-atrial node pacemaker cells"J. Physiol.. 540. 815-830 (2002)
-
[Publications] Yamamoto, S.: "Cell-volume regulation by chloride currents in single guinea-pig cardiac cells"Jpn. J. Physiol.. 52(Suppl). S29 (2002)