2002 Fiscal Year Annual Research Report
2光子励起レーザー顕微鏡による尿管蠕動運動発生機構の統合的解析
Project/Area Number |
14570047
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山下 俊一 日本大学, 医学部, 講師 (60256865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國分 眞一朗 日本大学, 医学部, 教授 (20153520)
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Keywords | 尿管 / 平滑筋 / 蠕動 / ペースメーカー / 2光子励起レーザー |
Research Abstract |
本年度は研究初年度であることから,1)2光子励起レーザー顕微鏡による蛍光観察条件の確立,2)蛍光値取得・演算プログラムの作製を中心に研究を行った。 摘出ラット腎盂尿管標本の深部まで蛍光色素(Calcium Green-1 AM)をロードする手法を確立し,840nmの2光子励起により,組織のまま細胞内Ca^<2+>濃度変化を観察することに成功した。十分な観察結果を得るため,空間分解能,蛍光強度,低組織障害性を考慮しながら2光子励起レーザーの照射条件を調整した。その結果,尿管では腎盂ペースメーカーから伝播する興奮に伴うCa^<2+>濃度上昇の合間に,尿管平滑筋細胞自身が独自にCa^<2+> waveを発生していることがわかった。このCa^<2+> wave発生はxestospongin-C投与により完全に抑制されることからIP_3依存性メカニズムによると考えられる。 これらの解析では連続した多数の蛍光画像の処理が必要になるため,腎盂から伝播してくるCa^<2+>濃度上昇,および,平滑筋細胞独自のCa^<2+> waveの発生頻度と伝播速度を自動解析するためのプログラムをIDLを用いて作製した。その結果,前者および後者の伝播速度はそれぞれ6.7mm/秒,25μm/秒であることが判明した。また,後者の発生頻度の外液Ca^<2+>依存性は前者のそれにくらべて有意に低かった。 現在,これらのデータを解析し,Ca^<2+>濃度上昇を上流に遡ることでペースメーカー細胞の同定を行っている。これら研究結果の一部は平成15年3月の日本生理学会大会で発表予定である。
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