2003 Fiscal Year Annual Research Report
カルシウム放出チャンネルに対する可視化ドミナント・ネガティブ法の開発
Project/Area Number |
14570087
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Research Institution | SHOWA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小山田 英人 昭和大学, 医学部, 助手 (50266160)
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Keywords | カルシウムイオン / カルシウム放出チャンネル / リアノジン受容体 / 緑色蛍光蛋白質(GFP) / ドミナント・ネガティブ |
Research Abstract |
昨年度の研究により、Ca^<2+>放出チャンネルである1型リアノジン受容体(RyR1)の4032番目のグルタミン酸をアラニンに変異させた場合(E4032A)にCa^<2+>放出能の著しい抑制がみられ、ドミナント・ネガティブなサブユニットになり得る可能性が示唆された。本年度は、機能的なRyR1を発現している細胞に、このE4032A変異体を共発現させた場合にCa^<2+>放出能を阻害する効果があるか否かを検討した。 1.抗生物質(ハイグロマイシン)耐性遺伝子を含む哺乳類用発現ベクターに野生型(wt)RyR1をコードするcDNAを挿入してwtRyR1発現ベクターを構築した。このRyR1発現ベクターを培養チャイニーズハムスター卵巣由来(CHO)細胞に遺伝子導入・強制発現させて、ハイグロマイシン耐性を指標として遺伝子導入された細胞を選択して、さらに抗RyR1抗体にてRyR1発現の有無を確認してwtRyR1安定発現細胞株の樹立を試みた。しかし、継代を重ねるにつれて、ハイグロマイシン耐性を維持しながらもRyR1の発現は低下してしまった。したがって、以後のwtRyR1発現は一過性発現によるものを用いた。 2.両方向性miniCMV(サイトメガロウィルス)プロモーターを持つテトラサイクリン応答性発現ベクターpBIの一方にwtRyR1をコードするcDNAと他方向に赤色蛍光蛋白質(RFP)を挿入してwtRyR1発現ベクターを作製した。このRFPの赤色蛍光を指標としてwtRyR1発現細胞を選別することが可能となった。 3.E4032A変異体のGFP融合RyR1発現ベクターとwtRyR1発現ベクターをCHO細胞に共に遺伝子導入したところ、GFPのみ見られる細胞ではCa^<2+>放出能が見られるのに対して、GFP/RFPの両蛍光が観察された細胞ではCa^<2+>放出能の抑制が見られた。
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Research Products
(1 results)