2003 Fiscal Year Annual Research Report
Gene Trap Microarrayの開発 その免疫病理学への応用
Project/Area Number |
14570107
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Research Institution | NARA INSTITUTE OF SCIENCE AND TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
石田 靖雅 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (10221756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 永照 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (00335481)
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Keywords | ジーントラップ / DNAアレイ / ES細胞 / マウス / ノックアウト / 調節性T細胞 / 自己免疫疾患 / 発症機構 |
Research Abstract |
マウスのES細胞とレトロウイルス型ジーントラップ・ベクターRET(改良型poly Aトラップ方式を採用)を利用してランダムなジーントラップを行い、これまでに約2000個のES細胞コロニーをピックアップした。それぞれのES細胞クローンからRNAを抽出し、3'RACE法によりトラップされた遺伝子のcDNA断片を増幅したあと、direct sequencingによってその塩基配列を決定した。その塩基配列の情報に基づき、それぞれの遣伝子に特異的なPCRプライマーを合成し、3'RACE法によって得られたものよりもさらに高純度のcDNA断片を増幅し、DNAアレイを作製した。このアレイを用いたスクリーニングにおいて、マウスの脳で特異的に発現する新規遺伝子を見出し、その遺伝子がトラップされたES細胞クローンを用いることにより、直ちにその新規遺伝子に関するノックアウト・マウスを作製した。このランダムなジーントラップに基づいたDNAアレイの大きな特徴は、従来のゲノム解析法では遺伝子として見なされたことのない、未知の遺伝子候補配列を数多く含んでいることである。我々のアレイを用いたスクリーニングでは、このような遺伝子候補配列の場合でも、しばしばマウスの組織におけるmRNAレベルでの発現を確認することができた。つまり、ランダムなジーントラップに基づいたDNAアレイを用いることにより、遺伝子の発現パターンのみを指標にして(その塩基配列には依存せず)全く新規の遺伝子群を同定し、直ちにそれらをマウスの個体レベルでノックアウトすることが可能になったのである。この新しい手法の開発により、マウス・ゲノムの網羅的な機能解析の分野に大きな突破口が切り開かれた。
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Research Products
(1 results)