2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14570109
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
藤原 和子 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助教授 (20108880)
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Keywords | リポ酸 / リポ酸転移酵素 / リポ酸-タンパク質リガーゼ / グリシン開裂酵素系 / α-ケト酸デヒドロゲナーゼ複合体 / Hタンパク質 |
Research Abstract |
リポ酸はピルビン酸,α-ケトグルタル酸,および分枝α-ケト酸デヒドロゲナーゼ複合体のE2サブユニットおよびグリシン開裂酵素系のHタンパク質に補欠分子族として結合している.リポ酸転移酵素は活性化されたリポ酸,すなはちlipoyl-AMPからリポ酸をこれらのタンパク質に転移する.一方,大腸菌のリポ酸-タンパク質リガーゼはリポ酸の活性化とタンパク質への転移の両反応を触媒するという点で哺乳動物のリポ酸転移酵素とは機能面での相違がある.今年度は先ず,大腸菌のリポ酸-タンパク質リガーゼの結晶化を行った. X線結晶構造解析において,多波長異常分散法による位相決定が可能なように,セレノメチオニンを含む大腸菌リポ酸-タンパク質リガーゼを得るべく,その遺伝子を大腸菌B834(DE3)pLysSにトランスフォームし,Doublie & Carterのmediumを用いてタンパク質を発現させた.発現したタンパク質をhydroxylapatite, DEAE-SepharoseおよびSuperdexカラムクロマトグラフィーによって単一にまで精製し,結晶化した. SPring-8 BL44XUのビームラインで結晶のX線回折を測定したところ,約2.8Åの分解能が得られた.現在,タンパク質の構造を解析中である. 一方,ヒトのリポ酸転移酵素はセレノメチオニンを取り込ませることが困難であることが分かったので,nativeなタンパク質をBL21(DE3)pLysS中で発現させている.今後,このタンパク質も精製,結晶化して,分子置換法によって構造解析をする予定である.
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Research Products
(1 results)