2002 Fiscal Year Annual Research Report
動画システムを用いた遠隔病理診断による病理組織及び細胞学的診断の実用的研究
Project/Area Number |
14570142
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
安達 博信 鳥取大学, 医学部, 助教授 (70112224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 充彦 鳥取大学, 医学部, 助手 (40325006)
庄盛 浩平 鳥取大学, 医学部, 助手 (60314572)
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Keywords | 遠隔病理診断 / 静止画 / 術中迅速診断 / 細胞診断 / 動画 |
Research Abstract |
1993年から静止画による術中遠隔病理診断(以下、テレ診断と略)を開始し、2003年3月末までに626例の術中迅速診断を行った。我々はこれまでのテレ診断に於ける以下のような種々の問題点を指摘、発表してきた。 (1)標本作製:凍結標本の薄切、染色が診断上重要である。凍結標本では日常診断に使用しているパラフィン包埋標本に比較し、標本が厚く、細胞が大型となる傾向があり、悪性と誤診する原因となる。染色性に関しては核クロマチンの好塩基性が増し、核異型度が強調され悪性と誤診される原因となる。これらは、標本作製時の凍結温度、核染色を行うヘマトキシリンの種類、濃度を最適なものを選択する必要がある事により解決した。殊に、細胞診標本においては核の染色性に特に気を配り、よりよい染色を行うことが必要である。(2)静止画によるテレ診断では標本全体の観察に長時間を要し、診断を報告する時間が直接検鏡による迅速診断より遅くなる。これは、術者、診断病理医の両者にとって精神的苦痛を増す原因であった。静止画は細胞診断においてはスクリーニングに不向きであり、全体像がとらえがたい。また、異型細胞の核内構造や細胞重積部の内部構造が分かりにくい等の問題点を指摘してきた。試験的に動画システムによる術中診断、細胞診断を行ったところ、これらの問題点が大幅に改善されることが明らかとなった。 これらの結果をふまえて平成15年度には動画システムを導入することを予定し、より診断に適したシステムの開発に向けてさらに検討を行う。
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