2004 Fiscal Year Annual Research Report
腎糸球体硬化におけるtight junction障害とサイトカインの関与について
Project/Area Number |
14570157
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
上田 善彦 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50151808)
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Keywords | 糸球体硬化 / サイトカン / tight junction / ZO-1 / micro dissection |
Research Abstract |
本年度は研究実施計画に基づき、以下の研究を行った. 1.レーザーmicrodissection顕微鏡およびIn situ hybridization法などの遺伝子解析に関する手技の確立. 本年は昨年ほぼ確立したアルミスライドを用いた凍結切片標本の接着・剥離に問題はなく実施できた.糸球体の確認においてはさまざまな染色を試してみたが、ヘマトキシリン・エオジン染色が最も確実に剥離可能であった.パラフィン検体からのmicro dissection法は確立し(Gut,2004)、凍結切片からのDNAの抽出を試みるために、厚さと糸球体の個数による検討も行った.10μm以上あれば1個の糸球体でもDNAの抽出は可能であったが、ごく一部にのみ見られる硬化部の抽出は困難であった. また、厚さの薄い切片ではDNAの抽出はばらつきを認めた.硬化糸球体と非硬化糸球体の比較では、硬化部のみからのmRNAの定量的な抽出には問題がいまだに残されている. 2.光顕・免疫電顕による検索 本年は初年度に臨床病理学的に検討した症例のまとめを再検討し、一部について免疫染色を行い、特殊染色を含めた光顕標本との比較検討を行った.また、免疫電顕による検索も行い、光顕レベルと電顕レベルにおける蛋白の相違についてさらに検索した.光顕レベルと電顕レベルでの局在の検討では、大部分は一致しているが、一部局在の差異を認めた. 3.レーザーmicrodissection顕微鏡を用いたZO-1,サイトカインなどのmRNAやDNAの解析に関しては、手技的な問題もあり、未だ完全な確立は出来ていないが、光顕による蛋白レベルの検討を検討しており、硬化性病変発症機序の解析を試みながら最終報告書として提出する予定である.
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Research Products
(4 results)