2003 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化退縮の形態学とPPARs発現との関連についての研究
Project/Area Number |
14570169
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山田 勉 日本大学, 医学部, 講師 (40182539)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生沼 利倫 日本大学, 医学部, 講師 (30223704)
|
Keywords | PPARα / PPARγ / 動脈硬化症 / 退縮 / 陥凹性動脈硬化巣 / 大動脈 / RT-PCR法 / 泡沫細胞 |
Research Abstract |
動脈硬化退縮の一形態像と見なせる中心性陥凹を持つ動脈硬化性病変(以下、陥凹性動脈硬化巣)におけるperoxisome proliferator-activated receptors(PPARs)発現を検討し、病変進展との関連を明らかにすることを目的とした。死後3-4時間以内の剖検大動脈から陥凹性動脈硬化巣を選択し、とくに陥凹性動脈硬化巣の中央部にある陥凹部(陥凹部)とその周囲の隆起部(周囲提)の2か所に分けて採取し検索した。 1.粥状動脈硬化巣におけるRT-PCR法によるPPARs発現を検討した結果、PPARαおよびPPARγ発現を認めることが可能となった。かつ、びまん性内膜肥厚、脂肪斑や粥腫などの種類の異なる病変でのPPARs発現量に相違があることを明らかにした。今回の検索により、陥凹性動脈硬化巣においても同様にPPARs、発現を認めることができた。 2.抗PPARγ抗体による免疫組織化学的検索:免疫染色の結果、陥凹性動脈硬化巣の泡沫細胞核内にPPARγ陽性像を認めた。また、内皮細胞や平滑筋細胞核にもPPARγは陽性であった。陥凹部と周囲堤とを比較すると、陥凹部よりも周囲提に泡沫細胞は集積していた。 3.RT-PCR法によるPPARs発現:陥凹部と周囲堤部の両者ともにPPARαとPPARγ mRNA発現を認めた。とくに陥凹部よりも周囲堤部におけるPPARγ mRNAの発現は強く、これは陥凹性動脈硬化巣における泡沫細胞数を反映している可能性が示された。PPARα mRNAについて、陥凹部と周囲堤部との発現量に差異はなかった。 4.PPARγは泡沫細胞に多く発現していたが、今回は半定量的検索でもあり、その局在についてもさらに検討を要する。また、陥凹性動脈硬化巣におけるReal Time-PCR法による定量的検索も今後の課題となる。
|
Research Products
(1 results)