2002 Fiscal Year Annual Research Report
原因不明の間質性肺炎発生機序の解明:Hermansky-Pudlak症候群のモデルマウス(ep mouse)を用いて
Project/Area Number |
14570197
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
中谷 行雄 横浜市立大学, 医学部附属病院, 助教授 (20137037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
唐 小燕 東海大学, 医学部, 助手 (20326036)
山中 正二 横浜市立大学, 医学部, 講師 (80264604)
長嶋 洋治 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (10217995)
野沢 昭典 横浜市立大学, 医学部, 講師 (00228321)
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Keywords | 間質性肺炎 / ヘルマンスキー・パドラック症候群 / II型肺胞上皮 / epマウス / beigeマウス |
Research Abstract |
Hermansky-Pudlak症候群(HPS)に伴う原因不明の間質性肺炎(HPSIP)の発生機序を解明する自的で、我々はII型肺胞上皮細胞の特徴的泡沫状腫大/変性(giant lamellar body degeneration ; GLBD)に注目してきた。今回はHPSのマウスモデルep mouseとその近縁疾患、Chediak-Higashi症候群のマウスモデルbeige mouseの肺組織を長期観察した。生後0日から2年までのep mouse, homozygous (ep/ep)45匹、heterozygous (ep/black)13匹、対照マウス(C57BL/6J)16匹、beige mouse, homozygous 8匹を用い、肺組織を光顕的・電顕的に観察した。その結果、ep/epマウス肺では、II型肺胞上皮細胞の泡沫状腫大/変性(giant lamellar body degeneration : GLBD)は経時的に著しくなり、年長マウス肺では、軽度ながら間質性変化も見られた。ep/black肺の変化は軽微であった。また、年長beige mouseはep mouse肺よりさらに高度のGLBDを呈し、間質性慢性炎症細胞浸潤・線維化を伴いヒトHPSIPに良く類似した間質性肺炎を呈した。従来、epマウス肺における病的変化の報告はほとんどなく、beige mouse肺もGLBDを認める少数の報告のみであったが、今回の結果はepマウス肺及びbeige mouse肺がヒトHPSIPと極めて類似した病理像を示し、そのモデルとなりうることを初めて示すものと考えられた。また、GLBDがヒト・マウス共通して認められ、マウスにおいては、経時的に著しくなると共に間質性変化を呈したことは、GLBDがHPSIP発症に関与するのではないかという我々の仮説を支持する結果と考えられた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 中谷行雄, 唐 小燕, 山中 正二, 長嶋洋治, 野沢昭典, 他: "特発性間質性肺炎とその周辺「Hermansky-Pudlak症候群」"日本胸部臨床. 増刊号(発表予定). (2003)