2004 Fiscal Year Annual Research Report
粥状硬化の発生機構における内皮細胞形態と機能変化のメカニズムの研究
Project/Area Number |
14570204
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
三俣 昌子 日本大学, 医学部, 教授 (40064589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠美 嘉晃 日本大学, 医学部, 講師 (60186393)
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Keywords | 内皮細胞 / 増殖 / アポトーシス / 単球接着 / 血流 / p21 / 血管内皮面画像 |
Research Abstract |
研究実施計画に基づき実験を行い以下の成果を得た。 1.ずり応力による内皮細胞(内皮)のアポトーシス抑制と増殖抑制のクロストーク Preliminary dataではあるが以下の結果を得た。 1)新規に導入した回転円盤型流れ負荷装置を用いて,ヒト内皮に3dyne/cm^2の定常流性層流と1.5dyne/cm^2の乱流を6時間負荷した。定量的RT-PCRを用いてP21 mRNA発現を検討したところ、乱流(n=4)は層流(n=4)の約57%の発現しか認めず発現は低下していた。 2)実験動物の大動脈内皮では非分岐部内皮(定常流性層流に暴露)に比べ分岐部内皮(乱流に暴露)の増殖率が高く、単球がより多く接着した。そこで、乱流および層流負荷後に内皮を単球と共培養し、内皮への単球の接着数を数えた。乱流は層流に比べ単球接着数を増加させる傾向を示した。 2.ヒトおよび実験動物の粥状硬化巣および血管分岐部領域における内皮遺伝子・蛋白発現の立体画像作成 1)前述の如く、実験動物の大動脈内皮では非分岐部内皮に比べ分岐部内皮の増殖率が高く単球がより多く接着した。よってp21を遺伝子導入して内皮の増殖を抑制後、分岐部および非分岐部の内皮の増殖とアポトーシス、単球接着度の検討を行うために、実験動物血管への遺伝子導入の方法を修得し、p21遺伝子を組み込んだアデノウイルスベクターを増やしている最中である。 2)乱流による内皮のアポートーシス誘導および層流によるアポトーシス抑制をわれわれの実験系において確認するために、免疫染色後、ラット大動脈を切開し、超深度顕微鏡とコンピュウターを用いてこの内皮面の立体擬似画像を作成した。アポトーシス内皮細胞は分岐部に多く認められ、非分岐部には殆ど見なかった。 以上の結果を基に、異なる流れパターンにより調節される内皮の増殖および死が、内皮のどの機能と直結するか、およびその機能調節情報伝達経路を検討して粥状硬化の予防法を開発する計画である。
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Research Products
(5 results)