2002 Fiscal Year Annual Research Report
線虫感染に伴う粘膜型マスト細胞の小腸上皮内侵入機構に関する研究
Project/Area Number |
14570217
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
手越 達也 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (40254370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内川 隆一 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (80145466)
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Keywords | マスト細胞 / 粘膜上皮 / 接着分子 / E-カドヘリン / CD103 / 培養 |
Research Abstract |
マウス骨髄細胞を2群の増殖因子の組み合わせ((1)IL-3+SCF(2)IL-3+SCF+IL-9+TGF-β1)で11日間培養し,得られた培養マスト細胞の種々の性状を解析した. 接着分子発現 mRNA,蛋白レベルで解析した結果,2種のマスト細胞における違いはインテグリンαE鎖が(2)のマスト細胞において顕著に増加していた.一方,E-カドヘリンは(1)(2)のマスト細胞ともに発現していた.(2)のマスト細胞には粘膜型マスト細胞の指標であるmMCP-1が発現し,接着分子E-カドヘリンと,インテグリンαEβ7が同時に発現するユニークな性質を有していた. マスト細胞に発現するE-カドヘリン,インテグリンαEβ7の機能 E-カドヘリンを介した細胞間接着能を調べるため,E-カドヘリンを発現するF9細胞とのcell adhesion assayを実施した.マスト細胞にE-カドヘリンまたはインテグリンαE鎖の接着阻害抗体を単独で作用させた実験ではE-カドヘリンのみ発現している(1)のマスト細胞は接着率が50%前後で,E-カドヘリン同士の接着阻害抗体を加えた実験群で接着能が濃度依存的に抑制された.E-カドヘリンとインテグリンαEβ7が発現している(2)のマスト細胞は接着率が80%前後で,抗体を単独で加えても細胞接着率に有為な変化は認められなかった.次にE-カドヘリンとインテグリンαEβ7両方の接着を阻害するため,2種の抗体を加えcell adhesion assayを実施した.E-カドヘリンとインテグリンαEβ7が発現している(2)のマスト細胞では,E-カドヘリン同士の接着阻害抗体とE-カドヘリンとインテグリンαEの接着阻害抗体またはE-カドヘリン同士の接着阻害抗体とインテグリンαEの接着阻害抗体を加えることで接着能が有為に抑制された.このことは培養粘膜型マスト細胞に発現しているE-カドヘリンとインテグリンαEβ7がともに細胞接着能を有していることを示している.
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