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2003 Fiscal Year Annual Research Report

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌の細胞壁合成系の統合的解析による薬剤耐性機序の解明

Research Project

Project/Area Number 14570238
Research InstitutionHIROSHIMA UNIVERSITY

Principal Investigator

小松澤 均  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (90253088)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小原 勝  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (80253095)
藤原 環  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (90274092)
菅井 基行  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10201568)
Keywords黄色ブドウ球菌 / バンコマイシン / 細胞壁合成 / MRSA / トランスポゾン / 細胞膜
Research Abstract

昨年度までに、実験的に分離したバンコマイシンの低感受性菌が細胞壁合成におけるグリカン鎖合成を行うトランスグリコシラーゼ(TGase)の阻害剤であるモエノマイシンにも耐性を示したことから、黄色ブドウ球菌のTGaseをコードする3つの因子(PBP2,SgtA, SgtB)について検討したところ、変異株と親株とに発現量に違いが認められず、別の因子の関与が示唆された。本年度では、引き続き変異株の変異部位を検討するため、細胞壁合成に関与する因子(PBP, FemA-D, GlmS)について親株と比較検討したが変化が認められなかった。そこで、トランスポゾン挿入による変異株作製の手法を用いてモエノマイシン耐性変異株を分離し、トランスポゾン挿入部位の検討を行った。その結果、2つのモエノマイシン耐性変異株を得た。これらの変異株はバンコマイシンにも低感受性を示した。挿入部位を検討した結果、1株はメチシリン耐性に影響を与える因子fmtCにまたもう1株はリシン合成に関与するlysCにトランスポゾンの挿入を認めた。FmtCは細胞膜の構成成分であるphosphatidylglycerolにリシンを添加しlysylphosphatidy lglycerol(lysyl-PG)にする反応に関与する報告があるため、両変異株のlysyl-PG量を測定したところfmtC変異株では消失し、lysC変異株ではlysyl-PG量は減少を認めた。モエノマイシンおよびバンコマイシンの生菌に対する結合量は親株に比較して増加を認めたが、細胞壁画分では両者に差は認められなかった。Lysyl-PGは正に帯電しているためその消失は細胞膜のチャージをより負に帯電させることが考えられ、またバンコマイシン、モエノマイシンは正に帯電しているためこれらの薬剤が細胞膜にトラップされることにより低感受性を引き起こすことが示唆され、新しいバンコマイシン低感受性の機序を明らかにした。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] Nishi H. et al.: "Moenomycin-resistance is associated with vancomycin -intermediate susceptibility in Staphylococcus aureus"Microbiology and Immunology. 47. 927-935 (2003)

URL: 

Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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