2002 Fiscal Year Annual Research Report
コラーゲン・アンカーリング機能を付与した新規ワクチンに関する基盤研究
Project/Area Number |
14570239
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
松下 治 香川医科大学, 医学部, 助教授 (00209537)
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Keywords | 細菌性コラゲナーゼ / コラーゲン結合ドメイン / β-サンドイッチ / 新しいCa^<2+>結合モチーフ / Ca^<2+>依存性のコンフォメーション変化 |
Research Abstract |
X線回折によりC. histolyticumクラスIコラゲナーゼのCBDの立体構造を決定したところ、10本のβストランドからなるサンドイッチ構造を有することが明らかになった。5種類のCBDでよく保存されていたアミノ酸残基のうち、近接する2つのチロシン残基が結合に重要な役割を果たすことがわかった。そこで、コラーゲン結合サイトがどのように形成されているのかを明らかにするため、これらのチロシン残基の周辺の残基について包括的に部位特異的変異を導入し、変異タンパク質のコラーゲン結合能(Kd, kass, kdis)を、mini-Collagen分子,Gly-(Pro-Pro-Gly)_8,を固相化したセンサー・チップを用いた表面プラズモン共鳴法(BIACORE)により定量した。CBDはβサンドイッチの片側の面で基質に結合することが明らかとなった。 CBDはCa^<2+>依存的に不溶性コラーゲンに結合する。X線回折により、2つのCa^<2+>イオンがサンドイッチの側面に全く新しい様式で結合していることが明らかとなった。この構造によるコラーゲン結合能の調節機構を明らかにするため、Ca^<2+>結合に関与するアミノ酸残基すべてを部位特異的に変異させ、表面プラズモン共鳴法によりそれらの基質結合能を検討した。また、種々の濃度のCa^<2+>バッファー中でのドメインに挙動を、蛍光分光、ゲル濾過によって観察し、Ca^<2+>イオンがドメインのコンフォメーションに及ぼす影響を検討するとともに、Ca^<2+>イオンの結合定数(kd)を推定した。加えて、Ca^<2+>イオンの存在下、非存在下で、種々の濃度のタンパク変性剤(尿素)に対するドメインの挙動を測定し、本構造がドメインの安定性に寄与する事を示した。
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