2002 Fiscal Year Annual Research Report
ウエルシュ菌イオタ毒素の分子生物学的分析と結晶解析による作用発現機構の解明
Project/Area Number |
14570251
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
桜井 純 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (80029800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 敬子 徳島文理大学, 薬学部, 助手 (90170315)
永浜 政博 徳島文理大学, 薬学部, 助教授 (40164462)
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Keywords | ウエルシュ菌 / イオタ毒素 / ADPリボシル化酵素 / 二成分毒素 / 結晶解析 / アミノ酸残基 / 部位特異的変異法 / ドメイン |
Research Abstract |
イオタ毒素Ia成分の構造解析とその触媒Cavity内に存在するADPリボシル化酵素の共通モチーフ内のアミノ酸残基の役割をすでに解明したので、14年度科研において共通モチーフ以外の残基で触媒Cavity内、また、その周辺に存在するアミノ酸残基を遺伝子操作によってアミノ酸置換して、それぞれのNADaseとARTase活性のカイネティク分析を行い、それらのアミノ残基の役割を解析した。Y-246は、アクチンへのADPリボシル部の転移、Y-251は、NAD^+のCavity内への導入、N-255は、アクチンの認識、E-301は、触媒部位の構造維持、F-349は、NAD+のニコチンリングの固定、R-352は、NAD^+のリン酸基の固定に、それぞれ働いていることが明らかとなった。次に、Ia成分とIb成分との結合の解析は、両者の成分の相互作用する領域を特定することである。我々は、遺伝子操作で構築したIa成分のNドメインが両成分共存下で示す細胞毒性を阻害することを認めた。そこで、Ia成分の結晶解析のデータから、Nドメインに唯一存在する大きなクレフトに着目し、そのクレフトに存在する全ての残基をアラニンに置換した変異Ia成分は、Ib成分存在下で細胞毒性を示した。従って、このクレフトは、両成分の結合には関係しないことが判明した。そこで、Biacore(既存設備)において、Ib成分を支持体に固定して、作成した種々の変異Ia成分の結合性を解析た結果、Ia成分の191-210残基を削除した変異成分の場合、Ib成分間に結合がないこと、さらに、この削除変異体とIb成分の存在で細胞毒性が認められることから、この領域がIb成分との結合に重要な領域と考えられる。さらに、Ia成分の結晶解析のデータから、この領域は、外側に露出していることから、Ib成分との結合に三次元構造の視点からも確かめられたと考える。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M.Nagahama, M.Mukai, S.Morimitsu J.Sakurai: "Role of the C-domain in the biological activities of Clostridium perfringens alpha-toxin"Microbiology and Immunology. 46. 647-655 (2002)
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[Publications] M.Nagahama, S.Morimitsu, A.Kihara, M.Akita, K.Setsu, J.Sakurai: "Involvement of tachykinin receptors in Clostridium perfringens beta-toxin-induced plasma extravasation"British Journal of Pharmacology. 138. 23-30 (2003)
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[Publications] H.Tsuge, M.Nagahama, H.Nishimura, J.Hisatsune, J.Sakurai et al.: "Crystal structure and site-directed mutagensis of enzymatic components from Clostridium perfringens iota-toxin"Journal of Molecular Biology. 325. 471-483 (2003)
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[Publications] J.Sakruai, M.Nagahama: "Mechanism of action of Clostridium perfringens beta-toxin"Recent Research Developments in Infection & Immunity. (In press).
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[Publications] J.Sakurai, M.Nagahama, J.Hisatsune, N.Katunuma, H.Tsuge: "Clostridium perfringens ι-toxin, ADP-ribosyltransferase: structure and mechanism of action"Advances in enzyme regulation. (In press).