2003 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ節再生方法の確立とそれによる腫瘍転移予防機構の研究
Project/Area Number |
14570278
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Research Institution | RIKEN (The Institute of Physical and Chemical Research) |
Principal Investigator |
吉田 尚弘 独立行政法人理化学研究所, 免疫系構築グループ, 上級研究員 (20281090)
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Keywords | 末梢リンパ器官 / IL-7R陽性細胞 / VCAM-1 / ICAM-1二重陽性細 / ケモカイン / リンフォトキシン / 末梢リンパ器官再生 |
Research Abstract |
今研究により、パイエル板およびリンパ節の発生過程について、それを構成する細胞と分子について、それぞれのリンパ器官が異なるサイトカインによる独自の修飾を受けて発生過程が進むことを明らかにし、そめ理論に基づいてリンパ節欠損マウスにパイエル板形成に必要なサイトカインを導入することによるリンパ節再形成に成功した。このことをもとにこれらの構成細胞のin vitroでの培養とその移植によるin vivoでの末梢リンパ器官形成を試みた。In vitroではリンフォトキシンを産生するIL7R陽性細胞の10週間以上にわたる長期培養とリンフォトキシン産生性を維持することができたが、リンフォトキシンに反応する側であるVCAM-1/ICAM-1二重陽性細胞の長期培養は成功するには至らなかった。そこでin vitroの器官培養系でパイエル板形成の追跡を行ったところ、この条件でパイエル板原基を誘導することに成功し、VCAM-1/ICAM-1二重陽性細胞の分化誘導にも成功したが、これらの細胞をin vivoに移植して生着させることはうまく行かなかった。この原因の一つとして、移植細胞が移植後に散逸することが考えられたので、それらを定着させる条件をパイエル板やリンパ節について検討し、末梢リンパ節と腸間膜リンパ節のリンパ節形成の違いが発現するケモカインの差にあることを明らかにした。同時にこのような末梢リンパ器官原基の場を形成する細胞として神経堤細胞に注目し、ES細胞を用いてin vitroでの神経堤細胞を分化誘導する条件、これらの細胞の前駆細胞の生体内での挙動などについても検討した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Nishikawa, S.-I., et al.: "Organogenesis of peripheral lymphoid organs"Immunological Reviews. 195. 72-80 (2003)
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[Publications] Iiyama, R., et al.: "Normal development of the gut associated lymphoid tissue except Peyer's patch in MyD88-deficient mice."Scand J Immunol. 58. 620-627 (2003)
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[Publications] Weston JA, et al.: "Neural crest and the origin of ectomesenchyme : Neural fold heterogeneity suggests an alternative hypothesis."Dev Dyn.. 229. 118-130 (2004)
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[Publications] Yuhki, M., et al.: "BMP receptor IA signaling is necessary for hair follicle cycling and hair shaft differentiation in mice."Development. (In press). (2004)