2003 Fiscal Year Annual Research Report
スーパー抗原刺激が誘導する免疫応答シフトとメモリー細胞分化制御の解析
Project/Area Number |
14570284
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
亀谷 美恵 東海大学, 医学部, 助手 (50338787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垣生 園子 東海大学, 医学部, 教授 (30051618)
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Keywords | T細胞 / アナジー / TCR-トランスジェニックマウス / メモリー細胞 / IL-2プロモーター / ヒストンアセチル化 |
Research Abstract |
T細胞活性化作用を有する一群の細菌毒素であるスーパー抗原は、抗原特異性に無関係に多数のT細胞を活性化し、大量のサイトカイン産生を誘導する。しかしその後いわゆるトレランスに陥り、メモリー細胞分化は誘導しないと考えられてきた。本研究では、スーパー抗原刺激によりメモリー細胞誘導が可能か否か、アナジーの誘導はメモリー細胞の誘導とどのような機序の違いにより生じるのかについてサイトカイン産生を指標に明らかにすることを試みた。 本年度は、昨年度までに確立したOVA23-3-Tgin vivoアナジーにおけるIL-2プロモーター領域のヒストンアセチル化レベルの解析を行い、invivoアナジーにおけるIL-2産生抑制との関連性を解析した。遠位プロモーター領域と近位プロモーター領域のヒストンアセチル化をChiP-assay法により解析したところ、in vivoおよびinvitro初回刺激後48時間において近位プロモーター領域のヒストンアセチル化が亢進する一方で、アナジー誘導系においては、近位・遠位両者のプロモーター領域でヒストンアセチル化レベルが低下していた。IL-2 mRNAレベルはアナジー誘導系で低下することは、Northern blottingにより確認された。昨年度報告したように、IL-2はタンパクレベルで抑制されていることが明らかとなっており、IL-2産生量の抑制がヒストンアセチル化に関連した転写レベルの調節機構によることが示唆される。 一方、これらアナジー誘導系においては、CD69、CD25等の活性化抗原の発現が認められ、IL-2産生は転写レベルで抑制されているものの、ある程度の活性化は誘導されている事が明らかとなった。これらはメモリーマーカーであるCD44陽性細胞を含んでおり、invivoアナジーを誘導されたT細胞は、一部メモリー細胞と共通する性質を持つ可能性が考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kametani Y, Katano I, Hirano Y, Mochida N, Takei E, Habu S: "Transient suppression of IgG1 with IL-6 over-expression in immunized TCR-transgenic mice."Immunol.Lett.. In press. (2004)
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[Publications] Matsumura T, Kametani Y, Ando K, Habu S: "Functional CD5+ B cells develop predominantly in the spleen of NOD/SCID/gammac(null) (NOG) mice transplanted either with human umbilical cord blood, bone marrow, or mobilized peripheral blood CD34+ cells."Exp.Hematol.. 31(9). 789-797 (2003)
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[Publications] Li C, Ando K, Kametani Y, Habu S, Kato S, Hotta T: "Reconstitution of functional human B lymphocytes in NOD/SCID mice engrafted with ex vivo expanded CD34(+) cord blood cells."Exp.Hematol.. 30(9). 1036-1043 (2002)
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[Publications] Saito Y, Kametani Y. Habu S.: "The in vivo development of human T cells from CD34(+) cells in the murine thymic environment."Int.Immunol.. 14(10). 1113-1124 (2002)
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[Publications] Komine O, Hayashi K, Habu S.: "The Runx1 transcription factor inhibits the differentiation of naive CD4+ T cells into the Th2 lineage by repressing GATA3 expression."J.Exp.Med.. 198(1). 51-61 (2003)
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[Publications] Wang L, Senoo M, Habu S: "Differential regulation between gene expression and histone H3 acetylation in the variable regions of the TCRbeta locus."Biochem.Biophvs.Res.Commun.. 298(3). 420-426 (2002)