2002 Fiscal Year Annual Research Report
外分泌腺組織で恒常的に産生されるケモカインMEC/CCL28の生物学的機能の解析
Project/Area Number |
14570289
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
稗島 州雄 近畿大学, 医学部, 講師 (10322570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
義江 修 近畿大学, 医学部, 教授 (10166910)
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Keywords | ケモカイン / 外分泌腺 / 抗菌 / 形質細胞 / 粘膜免疫 |
Research Abstract |
CCL28は各種外分泌腺及び粘膜上皮で発現が認められ、これら組織における機能と未知の標的細胞の解明が急がれていた。これまでに研究代表者らが明らかにしたことを以下に列記する。使用したマウスは全てBALB/cマウス(12〜16週齢、メス)である。 1.マウス各組織におけるCCL28mRNAの発現検討:マウスの唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)では各種腸管組織と比較してCCL28の発現がCCR10やCCR3よりも数倍〜十数倍上昇していた。 2.ELISA法による唾液中のCCL28の濃度検討:健常成人の耳下腺より採取した耳下腺唾液のCCL28の濃度は65〜232nM(Ave. 112nM、n=5)となり、これまで報告されていたケモカインの中でも最高のレベルであった。 3.組織染色:抗ヒト及び抗マウスCCL28抗体を用いた免疫染色では、ヒト及びマウスで唾液腺腺膀細胞が陽性に染まり、免疫電子顕微鏡では上皮内顧粒が陽性であった。 4.コロニー形成法によるCCL28の抗菌活性の検討:ミュータンス菌、溶血性連鎖球菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、肺炎桿菌、カンジダ菌を用いてCCL28の抗菌活性を検討したところ、IC_<50>が0.3〜3.0μMの有意な抗菌能を確認した。 5.CCR10結合リガンド-Fcキメラの作製:ヒトCCL28-Fc及びヒトCCL27-Fcキメラを作製した。どちらもCCR10発現細胞に結合したが、安定性と特異性の点からヒトCCL27-Fcを採用した。 6.唾液腺におけるCCR10発現細胞の同定:マウス耳下腺細胞を調整し、上記CCL27-Fcで染色したところ、CD3-B220lowのIgA産生形質細胞であることが判明し、この細胞はCCL28への細胞遊走能も確認された。 今後はCCL28の抗菌動態の解析<時間、塩濃度、相乗効果)、CCR10発現細胞の解析を継続する。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hieshima, K: "CCL28 Has Dual Roles in Mucosal Immunity as a Chemokine with Broad-Spectrum Antimicrobial Activity"Journal of Immunology. 170・3. 1452-1461 (2003)
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[Publications] Nakayama, T: "Cutting edge : profile of chemokine receptor expression on human plasma cells accounts for their efficient recruitment to target tissues"Journal of Immunology. 170・3. 1136-1140 (2003)