2002 Fiscal Year Annual Research Report
ユスリカ成虫の大量飛来が住民生活に与える影響と新たな防除方法確立のための基礎実験
Project/Area Number |
14570297
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
平林 公男 信州大学, 繊維学部, 助教授 (20222250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 節子 信州大学, 医学部, 助手 (90143974)
小川 賢一 聖マリアンナ医科大学, 専任講師 (10139644)
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Keywords | ユスリカ / 諏訪湖 / 防除 / 不快昆虫 / 光 / 音 / 誘引 / 生態 |
Research Abstract |
近年、諏訪湖湖水の浄化が進み、これまで大量発生してきた沖帯に生息する大型ユスリカ類(オオユスリカやアカムシユスリカ)に代わり、新たに沿岸域に生息すると推定される小型のユスリカ類が夏季に大量発生している。これらのユスリカ類について、以下の3点についてその実態を明らかにした。(1)大量発生種の特定と湖からの発生量の季節変化:2002年4月から12月まで、諏訪湖畔に設置したライトトラップに捕獲されるユスリカ類を毎日調査した結果、4亜科55属109種のユスリカ類が記載できた。調査期間中に50000匹程度のユスリカ成虫類が捕獲されたが、捕獲数の多かったものは、オオユスリカ、クロユスリカ、ハイイロユスリカ、アカムシユスリカなどであった。特に、オオユスリカは全体の54.4%を占め、クロユスリカは38.6%を占めた。これらの結果より、沿岸域から発生する近年増加傾向の小型のユスリカ類はクロユスリカであることが明らかとなった。クロユスリカは春(5/13)から初秋(10/1)にかけて捕獲され、最大は7/3の844匹/日であった。(2)成虫の飛来範囲、飛翔時間帯の特定:成虫の飛翔範囲を垂直的に調査した。湖畔に建つ20mの建物に地上1m、9m、16mにライトトラップを設置し、捕獲される成虫数を比較したところ、9mで最も多く捕獲された。また、飛翔時間帯は日没直後に1日の約8割が捕獲され、昼間はほとんど捕獲されなかった。この傾向は、季節によって変化しなかった。(3)幼虫の湖内生息場の特定:全60の調査地点を湖内に均一に設け、1地点で3回ずつエクマンバージ採泥器により採集を行った。その結果、クロユスリカ類の幼虫は沿岸域の水深2mよりも浅い地点に集中的に分布していた。特に砂地の部分や植物帯に密度が高く、湖東岸の諏訪市側に多かった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Hirabayashi, K.et al.: "Long-term investigation of Propsilocerus akamusi (Tokunaga) midges (Diptera, Chironomidae) from the shallow eutrophic Lake, Suwa, in Central Japan -An attempt to forecast the massive emergence of adult midges"Medical Entomology and Zoology. 54(1). (2003)