2002 Fiscal Year Annual Research Report
次世代メディアテクノロジーが作業者の生理・心理的負担に及ぼす度合の計測・評価手法
Project/Area Number |
14570314
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
神代 雅晴 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (30048053)
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Keywords | 次世代メディアテクノロジー / VDT作業 / コンピュータ対話型労働 / 生体影響 / メンタルストレス / 視機能 / 大画面スクリーン / HRV |
Research Abstract |
通常のVDT作業を対照作業として、大画面共通情報提示に基づき判断・処理作業が要求されるVDT作業の視覚負担ならびに生理心理的ストレスの発現を比較検討する。示達が平成14年10月であったため、平成14年度は大画面利用下のVDT作業が生体に及ぼす影響についてのみ検討した。実験は、大画面100インチディスプレイ上に提示された複雑な情報を瞬時に読み取り、制限時間内(12秒)に15インチノートPCへ入力する作業を90分間課した。生理心理的ストレスの様相は、視機能、自律神経機能、大脳皮質活動、主観指標、作業パフォーマンスから検討した。本結果は、被験者8名について示す。 1.視機能について、最大調節力は作業後に低下、調節安静位は作業後に遠方化、Cq値は作業後で誤差が拡大し、調節緊張及び調節弛緩は共に作業後に上昇が認められた。 2.生理指標については、HRVではLF、HF、LF/HF比のいずれにおいても有意の変動が認められなかった。また、脈派の波高は実験開始25分以降に安定する傾向が認められた。 3.主観指標については、作業後に「目が疲れる」、「目が痛い」、「頭痛がする」等の訴えの増加が認められた。NASA-TLXではサブスケールの各評価値に明確な差は認められず「時間切迫性」と「努力」が他の尺度よりも高値を示した。 4.作業パフォーマンスについては、正答率では実験開始25-50分後で正答率が比較的高く保たれバラツキが小さく安定した作業を行っていた。また、正解入力時間では比較的に安定した速度で作業を行っていた。 本年度の結果から大画面使用時におけるVDT作業は視機能への負担が大きいことが示唆された。また、脈派の波高と正答率のばらつきが類似した傾向が認められた。
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