2004 Fiscal Year Annual Research Report
トリブチルスズの細胞毒性発現におけるMAPキナーゼシグナル伝達系の関与
Project/Area Number |
14570315
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
松岡 雅人 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (50209516)
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Keywords | トリブチルスズ / MAPキナーゼ / シグナル伝達 / p53リン酸化 / JNKキナーゼ欠損 / LL-Z1640-2 / カドミウム / 無機水銀 |
Research Abstract |
1.塩化トリブチルスズ暴露により、CCRF-CEM細胞、NIH3T3細胞、PC12細胞およびMCF-7細胞において、MAPキナーゼ(extracellular signal-regulated protein kinase、c-Jun N-terminal kinase [JNK]、p38)のリン酸化とその活性上昇を認めた。 2.p53蛋白セリン15部位は、MAPキナーゼでリン酸化されるが、塩化トリブチルスズ、塩化マンガン、塩化亜鉛、塩化第2水銀および塩化鉛の暴露では、MCF-7細胞における同部位のリン酸化は認められなかった。一方、DNA傷害性のカドミウムやアスベスト暴露は、MCF-7細胞やA549細胞において、p53蛋白セリン15部位をリン酸化した。 3.金属暴露によって活性化されるJNKシグナル伝達系を阻害した2つの実験系を作成した。 (1)JNKを活性化するMAPキナーゼキナーゼ(JNKキナーゼ)であるSEK1およびMKK7をそれぞれ欠損したマウス胚性幹(ES)細胞を用いる実験系。 (2)金属暴露によるJNKおよびp38活性化を抑制する環状ノナケタイド化合物であるLL-Z1640-2を用いる実験系。本化合物は、NIH3T3細胞において25ng/mlの濃度でJNK活性化を選択的に抑制した。 4.NIH3T3細胞およびPC12細胞において、25ng/mlのLL-Z1640-2処理は、トリブチルスズやカドミウムの細胞毒性を明らかには抑制しなかった。 5.トリブチルスズや他の金属暴露によるMAPキナーゼ活性化の意義を解明するうえで、p53蛋白セリン15部位のリン酸化の測定、JNKキナーゼ欠損細胞やLL-Z1640-2を用いたJNKシグナル伝達阻害実験系における細胞毒性の評価、が有用である。
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Research Products
(6 results)