2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14570340
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
馬場園 明 九州大学, 健康科学センター, 助教授 (90228685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永野 純 九州大学, 健康科学センター, 助教授 (10325483)
津田 敏秀 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (20231433)
三野 善央 大阪府立大学, 社会福祉学部, 教授 (80181965)
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Keywords | 職場ストレス / 疾病発生 / 精神的健康度 / GHQ / 多重ロジスチック回帰分析 |
Research Abstract |
H県に所在する製造業の企業の全従業員1,058名を対象として、2003年8月に5回目のストレス調査を行った。調査内容は、性、年齢、結婚の有無、勤務地、職種、役職、勤続年数、勤務内容、GHQ60(メンタルヘルス)、最近1年間の疾病の発生状況であった。調査した疾患は、胃・十二指腸潰瘍、肝臓病、慢性気管支炎・肺気腫・気管支喘息、糖尿病、狭心症・心筋梗塞、高血圧、悪性腫瘍、脳血管障害、腰痛症、関節炎、けが、頚肩腕症侯群、貧血、不眠、不安であった。回答者数は991名(回答率93.7%)であり、これらを分析対象者として、疾病の発生状況を目的変数、精神の健康度、性、年齢を説明変数とする多重ロジスチック回帰分析を行った。 統計的に有意であった疾病は、腰痛症、頸肩腕障害、不眠、不安であり、それぞれのオッズ比は、1.84、2.78、7.61、9.04であった。胃・十二指腸潰瘍、肝臓病、慢性気管支炎・肺気腫・気管支喘息、糖尿病、狭心症・心筋梗塞、高血圧、悪性腫瘍、脳血管障害、関節炎、けがでは有意な差を認めなかった。精神の健康度と腰痛症、頸肩腕障害、不眠、不安とは強い関連があることが明らかになった。しかしながら、精神の健康度がこれらの疾患や症状の発生にどの程度影響を及ぼすかについては、コホート調査を行う必要がある。今後は、レセプトデータによって疾病の発生を把握し、精神の健康度と疾病の発生との関連を明らかにする予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Babazono A, Miyazaki M, Une H, Yamamoto E, Tsuda T, Mino Y: "A study on a reduction in visits to physicians after introduction of 30% co-payments in the Employee Health Insurance in Japan"Industrial Health. 42・1. 50-56 (2004)
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[Publications] Babazono A, Miyazaki M, Une H, Yamamoto E, Tsuda T, et al.: "Does Seropositivity for Helicobacter pylori Antibodies Increase Outpatient Costs for Gastric and Duodenal Ulcer or Inflammation?"Pharmacoeconomics. (In press). (2004)
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[Publications] Okamura T, Tanaka T, Babazono A, et al.: "The High-risk and Population Strategy for Occupational Health Promotion (HIPOP-OHP) Study"Journal of Human Hypertension. (In press). (2004)
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[Publications] 馬場園明, 津田敏秀, 三野善央: "職場ストレスが精神的健康度に及ぼす影響に関する前向き研究"産業衛生学雑誌. 4・3. 235 (2003)
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[Publications] 馬場園明: "医学における因果関係と判断"教育と医学. 52・1. 24-32 (2004)
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[Publications] 馬場園明: "健康支援学の理念と視座"現代のエスプリ. 440. 28-37 (2004)