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2003 Fiscal Year Annual Research Report

ベンチマークドースを用いた鉛の中枢および自律神経機能への影響評価

Research Project

Project/Area Number 14570356
Research InstitutionTeikyo University School of Medicine

Principal Investigator

苅田 香苗  帝京大学, 医学部, 講師 (40224711)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 村田 勝敬  秋田大学, 医学部, 教授 (80157776)
矢野 栄二  帝京大学, 医学部, 教授 (50114690)
Keywords鉛 / ベンチマークドース / 影響評価
Research Abstract

平成15年度に遡り、鉛のバイオロジカルモニタリングを継続して行った国内の鉛取り扱い作業者388名を対象に、鉛曝露指標値の変動要因を検討し、作業者の非顕性健康影響をベンチマークドース(BMD)法により評価した。
作業者の血中鉛濃度(BPb)および赤血球中プロトポルフィリン濃度(FEP)の年次推移に係る要因を検討したところ、作業・環境管理を徹底しても顕著な改善がみられない作業者は、勤務時間中に喫煙をし、保護具の着用や食前の手洗い・洗顔を怠る者であった。
貧血影響指標としてヘモグロビン濃度(Hb)、ヘマトクリット(Hct)、赤血球数(RBC)を測定し、非曝露集団の異常率5%よりさらに5%の異常増加をもたらすBPb曝露濃度となるBMDを求めた。いずれの貧血指標もBPbとの間に有意な関連が認められ(Hb;r=-0.240,Hct;-0.201,RBC;-0.237)、年齢や勤務形態など交絡因子の影響を調整しても有意であった(p<0.001)。BMD法により、年齢と勤務形態を調整して推定されたBPbのBMDはHbで28.3、Hctで43.6、RBCで29.5μg/dlであり、また臨界濃度(BMDの95%信頼区間の下限値、BMDL)はHbで19.2、Hct29.4、RBC19.7μg/dlであり、これまで成人の鉛曝露が貧血を引き起こすと考えられてきた濃度(50μg/dl)より低値であった。
中程度鉛曝露作業者212名に対して自律神経機能を計測し、副交感・交感神経指標となるQTc、CVrr、C-CV_<LF>、C-CV_<HF>と鉛曝露指標との関連について解析したところ、BPbおよびFEPとの間に有意な量影響関係は認められなかった。鉛取り扱い作業者の健康悪影響を予防・早期発見するために、中枢・自律神経機能に影響が現れ始める曝露濃度を、BMD法を用いた「閾値なし」モデルにより再評価する必要がある。

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Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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