2004 Fiscal Year Annual Research Report
検体に尿を用いた活動性結核の迅速かつ簡便なスクリーニング法の開発
Project/Area Number |
14570365
|
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
西山 利正 関西医科大学, 医学部, 教授 (10192254)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 靖士 関西医科大学, 医学部, 講師 (70295799)
|
Keywords | 活動性結核 / スクリーニング / リコンビナント抗原 / 患者血清 / Dot Blot ELISA |
Research Abstract |
昨年度まで既知の結核抗原を用いた結核患者血清との反応性について検討を行ってきたが、本年度はその中でも最も感度、特異度とも成績の良かった抗原MPB64を用いてさらなる解析を行った。用いた患者血清は新たに大阪府津田病院に入院中の活動性結核患者に研究のインフォームドコンセントを行なった後、研究参加の同意書を得て患者から採取した血清を用いた。MPB64を大量に取得しHis-Tagを用いてアフィニティー精製したものを抗原として、Dot Blot ELISAを行った。その結果、活動性結核患者血清による活性は健常者のものと比較して患者(個人)問でのばらつきはあるものの、数十から数百倍程度高いものであった。これより、MPB64は活動性結核患者のスクリーニングに有用であると推測された。 また昨年度に結核菌cDNA libraryよりスクリーニングにて取得したクローンを用いて解析を行った。BCG cDNA libraryの作成はMycobacterium bobis, BCG Tokyoよりtotal RNAを抽出した後、cDNAを合成し、発現ベクターpGEX 4T-3にクローニングした。こうして作製したBCG cDNA libraryを用いて患者血清でスクリーニングを行った結果、陽性反応を有するクローン1個をピックアップした。このクローンのsequenceを解析した結果、Conserved Hypothetical Proteinであると推定され、これをBCG-CHPと命名した。このタンパクをコードする遺伝子はウシ結核菌Mycobacterium bovisとヒト結核菌Mycobacterium tuberculosisとの間で非常に相同性の高い領域を含んでいた。この遺伝子を用いてGSTとのfusion proteinとして発現させ、患者血清を用いてウエスタンブロッティングを行った結果、この抗原は活動性結核患者の血清と特異的に反応することが明らかとなった。これよりこの新規BCG由来の抗原BCG-CHPは今後活動性結核患者のスクリーニングとして使用可能であることが推測された。
|