2002 Fiscal Year Annual Research Report
新しい電気化学的アレイ・チップによる心疾患関連遺伝子異常の早期診断法の確立
Project/Area Number |
14570376
|
Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
池田 康行 国立循環器病センター研究所, 病因部, 室長 (90176107)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 敦子 国立循環器病センター研究所, 薬理部, 室長 (90179416)
|
Keywords | リポ蛋白リパーゼ / 高トリグリセリド血症 / IV型高脂血症 / 心疾患 / 動脈硬化 / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
日本人に高頻度に認められる中程度の高トリグリセリド(TG)血症(IV型高脂血症)は、動脈硬化性心疾患(CHD)の危険因子と考えられている。高TG血症は、リポ蛋白リパーゼ(LPL)遺伝子と肝性トリグリセリドリパーゼ(HTGL)遺伝子異常ヘテロ接合体の遺伝素因と環境因子(肝臓でのTG合成を亢進する因子:アルコール多飲や高インシュリン血症等)の負荷で発症する。それ故、LPL遺伝子異常ヘテロ接合体を早期診断することは、将来の動脈硬化症に対する予防医学に於いて重要な課題である。現在、我々によって検出・集積された日本人のLPL遺伝子変異は、15種類で、本年度(14年度)は、エキソン5のGly-188-Glu(818のG→A)とAla-221-del(916のG→deletion)の遺伝子型を決定できる電気化学的アレイ(Electrochemical array : ECA)チップの開発を試みた。それぞれの変異を検出する為の変異プローブ(15mer)と対応する正常プローブ(15mer)を単電極表面にチオール基を介して固定化し、検出用電極として使用した。それぞれの変異を含むLPL遺伝子エキソン5および正常LPL遺伝子エキソン5のPCR産物を検出用電極とハイブリ後、縫い込み型FNDインターカレーターを含む0.25xSSC緩衝液中で、Differential Pulse Voltammetry(DPV)を行ない、遺伝子型を決定した。正常/正常のホモ接合体は、正常プローブ電極で、最大電流値を示し、変異/変異のホモ接合体は、変異プローブ電極で、最大電流値を示し、正常/変異のヘテロ接合体は、正常および変異プローブの両電極で、電流応答が得られた。確立したECAシステムを用いて、10例の検体に対してブラインドテストを行った結果、全例、遺伝子型を確定することが可能であった(研究成果は、Bioconjugate Chemistry,13:1193-1199,2002に発表)。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Y.Ikeda: "Ferrocenylnaphthalene diimide-based electrochemical hybridization assay for a heterozygous deficiency of the lipoprotein lipase gene"Bioconjugate Chemistry. 13. 1193-1199 (2002)
-
[Publications] Y.Ikeda: "A family-based study of hyperinsulinemia and hypertriglyceridemia in heterozygous lipoprotein lipase deficiency"Clinica Chimica Acta. 316. 179-185 (2002)
-
[Publications] 池田 康行: "高トリグリセリド血症に対するテーラーメイド医療"医学のあゆみ. 201. 1027-1031 (2002)
-
[Publications] 池田 康行: "LPL, HTGL"臨床医. 28. 1027-1031 (2002)
-
[Publications] 池田 康行: "LPLとHTGL"高脂血症と動脈硬化. 別冊. 37-4 (2002)
-
[Publications] 高木 敦子: "高カイロミクロン血症患者からの新しいリポ蛋白リパーゼ(LPL)遺伝子異常-複合型ヘテロ接合体の検出-"The Lipid. 13. 102-109 (2002)