2002 Fiscal Year Annual Research Report
個人識別・親子鑑定に有用なSNPのリアルタイムPCRによる検出法の開発
Project/Area Number |
14570378
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
那谷 雅之 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70241627)
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Keywords | TaqMan-ASA法 / poly marker / SYBR Green I / 融解曲線分析法 / ABO式血液型 / 糖転移酵素cDNA / ミスマッチプライマー / MN式血液型 |
Research Abstract |
平成14年度は3点について検討し、以下のような結果が得られた。 1.親子鑑定・個人識別に繁用されている遺伝的多型poly marker検出システムPMキット(Applied Biosytems)で検出することのできるLDLR、GYPA、HBGG、D7S8、GCについてTaqMan-ASA法による検出法を構築した。各座位の塩基配列を基にプローブ、プライマーを設計し、PMキットの結果と比較しながら最適な組み合わせを選択した。また、SYBR Green Iを用いる変法(プローブを使用しない)においても各座位の判定を行うことができた。PMキットは繁用され、遺伝子頻度データベースもあるが、昨年12月で販売が中止された。今回、確立した方法によりキットを使用しなくとも5座位の多型を迅速に判定することができ、これまでに蓄積された知見やデータベースが無駄とはならない。 2.ABO式血液型遺伝子に存在する塩基置換、欠失の融解曲線分析法による検出法を確立した。糖転移酵素cDNAの261番における欠失の有無と、796、803番の塩基置換について検出法を検討した。蛍光色素標識変異プローブと変異のない領域にハイブリする蛍光標識アンカープローブを混和し、反応液の温度を徐々に上昇させ、変異の有無による変異プローブの解離を蛍光強度モニタリングによって検出し、261番においてはAA・AO・OOを、796、803番においてはBB及びAB・BOを識別することができた。 3.ミスマッチプライマーを用いたMN式血液型genotypingについて検討した。M型にマッチしたprimerを設計し、PCRの立ち上がりのサイクル数の遅れを解析することにより、MM型、NN型、MN型を識別する系を構築した。NN型では反応が遅いサイクル数から立ち上がり、MM型、MN型明瞭に区別できた。MM型とMN型の立ち上がりの差は1サイクル程度であり、正確な判定のために、β-globinによる標準化を行ったところ、サンプル10ng当たりのコピー数の(GYPA/β-globin)値は、MN型では1前後、MN型では0.4前後となり、MM型、NN型、MN型を識別できた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 那谷雅之, 橋谷田真樹, 舟山眞人: "Allele-specific TaqMan PCR法によるMN式血液型genotyping"DNA多型. 10. 241-245 (2002)
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[Publications] 那谷雅之, 橋谷田真樹, 舟山眞人, 安達 登: "航空機墜落現場から発見された多数骨片の個人識別"DNA多型. 10. 274-278 (2002)
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[Publications] 橋谷田真樹, 那谷雅之, 舟山直人, 板倉征男: "STRによる認証-DNA塗布物質に関する基礎的実験-"DNA多型. 10. 201-204 (2002)
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[Publications] Uehara S, Hashiyada M, Sato K, Nata M, Funato T, Okamura K: "Complete XY gonadal dysgenesis and aspects of the SRY genotype and gonadaltumor formation"J Hum Genet. 47. 279-284 (2002)
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[Publications] Hashiyada M, Funayama M, Nata M, Mimasaka S, Adachi N: "Discrimination of skeletal remains using mitochondrial DNA"Acta Crim Japon. 68. 129-134 (2002)
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[Publications] Nata M, Hashiyada M: "Rapid detection of GYPA, LDLR, HBGG, D7S8 and GC alleles by real-time fluorescence PCR"International Congress series 1239. Progress in Forensic Genetics. 9. 27-32 (2003)