2004 Fiscal Year Annual Research Report
法医鑑定のための外傷性脳損傷解析有限要素モデルの開発
Project/Area Number |
14570394
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
藤原 敏 横浜市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20173487)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青村 茂 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20281248)
西村 明儒 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (60283561)
佐藤 秀則 横浜市立大学, 医学部, 助手 (60326030)
佐藤 雄一郎 横浜市立大学, 医学部, 助手 (70326031)
|
Keywords | 法医鑑定 / 外傷性脳損傷 / 脳挫傷 / びまん性軸索損傷 / 有限要素法解析 / ヒト頭部有限要素モデル / β-APP / 神経病理 |
Research Abstract |
本年度の研究で用いたヒト頭部有限要素モデルは、頭皮、頭蓋の二つの層を持ち、頭蓋内の空間はCSF(脳脊髄液)で満たされている。成人男性の頭部CT画像を用いて頭蓋モデルを作成し、MRI画像を用いて皮膚モデルを作成した。頭部モデルの重量は4,161gである。これに重量750gの頚部有限要素モデル(ヤング率125MPa)と重量60kgの胴体有限要素モデルとを取り付けた。頭蓋モデルは等方弾塑性体として、頭蓋内物質(CSF)は粘弾性体として、頚部および皮膚は弾性体としてモデル化した。各モデルのそれぞれのパートに、過去の文献等から得られた材料定数を指定した。実験解析にはLSTC社製の汎用有限要素法コードLS-DYNAを用いた。解析にはパーソナルコンピュータを使用した。解析条件として、打撲(静止せる頭部への打撃)と転落(運動中の頭部の静止せる物体への打撃)の場合を想定してモデル実験を行った。各実験において、打撃側と打撃の反対側の負の頭蓋内圧の最大値を計算した。実験結果は以下のとおりであった。打撲の場合を想定した実験では、重量500gのビール瓶による前頭部打撃(衝突速度:7m/sec)の場合では、打撃側で105kPa、打撃の反対側で207kPaの負の頭蓋内圧が、重量600kgの鉄製の箱による後頭部打撃(衝突速度=1m/sec)の場合では、打撃側で15kPa、打撃の反対側で131kPaの負の頭蓋内圧が認められた。甲板(鉄)上へ10mの高さから転落して後頭部を打撃(衝突速度:5m/sec)した場合を想定した実験では、打撃側で30kPa、打撃の反対側で1,910kPaの負の頭蓋内圧が認められた。ほぼ実際の症例に則したモデル実験結果が得られたものと考えられる。
|
Research Products
(1 results)