2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト肥満細胞表面FCγRIによって惹起される生物学的機能の検討
Project/Area Number |
14570402
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
岡山 吉道 理化学研究所, アレルギー遺伝子研究チーム, 研究員 (80292605)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 信一 群馬大学, 医療情報部, 講師 (20224058)
|
Keywords | ヒト肥満細胞 / 高親和性IgG受容体FcγRI / 高親和性IgE受容体FcεRI / 獲得免疫 / 自然免疫 |
Research Abstract |
ヒト肥満細胞が、IFN-γによって高親和性のIgG受容体を発現し(J Immunol,2000,164:4332)、その架橋によって、即時型のメディエーターのみならず、各種のサイトカイン、特にTNF-α,IL-1β,IL-6といったproinfIammatory cytokineを多量に産生すること(J Immunol,2001,166:4705,Eur J Immunol,2001,31:3298)などを報告してきた。本年はFcγRIの架橋による、ヒトマスト細胞内情報伝達機構をFcεRIの架橋による情報伝達機構と比較検討し、共通の系と異なる系を見いだした(Okayama Y et al. 投稿中)。最も顕著な差異はPI3 kinaseの活性化がFcγRIの架橋による脱穎粒には要求されるが、FcεRIの架橋による脱顆粒には要求されなかった。さらに獲得免疫において重要な役割を果たすNF-κB系の細胞内情報伝達機構について検討した(J Immunol,2002,169:5287)。また、ヒト臍帯血由来培養マスト細胞と、成人末梢血由来培養マスト細胞表面に発現する、FcγRIの発現および機能の差異を検討し、臍帯血由来培養マスト細胞においてはFcεRIの発現のみならずFcγRIの発現および機能が抑制されていることがわかった(Tomita H, et al, Int Arch Allergy Immunol,2003,in press)。さらに群馬大学医療情報部と共同研究をすすめ、実際のヒトの病変部位におけるヒトマスト細胞FcγRIの発現の確認および病態、疾患との関連の解析をすすめている。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Coward WR, Okayama Y, Sagara H, Wilson SJ, Holgate ST, Church MK: "NF-kB and TNF-α a positive autocrine loop in human lung mast cells?"J Immunol. 169. 5287-5293 (2002)
-
[Publications] Tomita H, Kashiwakura J, Okumura S, Matsumoto K, Nakajima T, Saito H, Okayama Y: "Selective down-regulation of FcγRl and FceεRI in cord blood-derived versus adult peripheral blood-derived cultured human mast cells"Int Arch Allergy Immunol. (in press). (2003)
-
[Publications] 岡山吉道: "「第22回六甲カンファレンス-喘息に関する細胞をめぐって(最近の進歩)」ヒト肥満細胞における高親和性IgG受容体FcγRIの発現"ライフサイエインス出版株式会杜(印刷中). (2003)