2002 Fiscal Year Annual Research Report
慢性関節リウマチ滑膜線維芽細胞におけるCXCR3アゴニスト産生誘導分子機構の解明
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14570413
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山村 昌弘 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80252956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前島 洋平 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (10343287)
和田 淳 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (30294408)
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Keywords | 関節リウマチ / Th1免疫反応 / CXCR3 / 滑膜線維芽細胞 / Mig(CXCL9) / IP-10(CXCL10) / I-TAC(CXCL11) / 遊走反応 |
Research Abstract |
関節リウマチ(RA)関節液中には、変形性関節症(OA)に比較してMg(CXCL9)、IP-10(CXCL10)、I-TAC(CXCL11)などのCXCR3リガンドが高濃度に検出された。RA滑膜のCXCR3発現細胞は主にリンパ濾胞部のCD3+T細胞で、CXCL9/10/11などのCXCR3リガンドはRA滑膜で強い発現を認めた。CXCL9は表層および表層下のリンパ濾胞周辺の大型滑膜細胞、CXCL10は表層下の細胞、CXCL11は増生した血管内皮細胞が主要な産生細胞であった。RA滑膜細胞はCXCL9/10/11をOA滑膜細胞に比較して多量に産生した。 RA滑膜線維芽細胞は、IFN-γ、TNF-α、IL-1などの刺激によりCXCL9/10/11mRNAが誘導された。滑膜線維芽細胞の培養実験では、CXCL9はIFN-γにより、CXCL10はIFN-γおよびTNF-αI/L-1により強く誘導されたが、IFN-γとTNF-α/IL-1/IL-17の刺激により相乗的に産生が増強された。CXCL11の産生はIFN-γとTNF-α/IL-1により誘導されたが、その産生はCXCL9/10と比較すると弱かった。以上のことから、RA滑膜におけるCXCL9/10/11の主要な産生細胞は異なっているものと推測された。 RA末梢血リンパ球をIL-15で1週間培養すると、回収したT細胞のCXCR3およびCCR5発現は増強された。これらのT細胞を用いたin vito遊走実験で、RA関節液およびRA滑膜線維芽細胞培養上清(IFN-γ+TNF-α刺激)はT細胞遊走反応を誘導し、これらの反応は各CXCR9/10/11に対する中和抗体で部分的に阻害されたことから、CXCR3リガンドがTh1優位のRA滑膜へのT細胞浸潤に関与することが示唆された。
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Research Products
(1 results)