2003 Fiscal Year Annual Research Report
p53遺伝子の滑膜細胞導入による慢性関節リウマチ遺伝子治療の基礎研究
Project/Area Number |
14570419
|
Research Institution | NHO Nagasaki Medical Center |
Principal Investigator |
右田 清志 国立病院長崎医療センター(臨床研究センター), 免疫研究部長 (60264214)
|
Keywords | 関節リウマチ / 細胞周期 / p53 / レフルノミド |
Research Abstract |
活性化T細胞へのp53導入による細胞周期制御 関節リウマチの病因の1つとして、自己反応性活性化T細胞によるサイトカイン産生と、それに伴う滑膜細胞の活性化が考えられている。これら活性化T細胞にp53を誘導し細胞周期を制御することは有用な治療法の1つと考えられる。新規免疫抑制剤レフルノミドはピリミジンの合成を抑えp53発現を誘導し細胞周期を停止させる作用を有することが示唆されているが、証明されていない。レフルノミドの活性化T細胞に対する作用について検討した。 Balb/cマウスに、細菌性スーパー抗原であるStaphylococcal enterotoxin B(SEB)を静注し、脾臓Vβ8T細胞を活性化させた。このマウスにレフルノミドを経口投与し脾臓SEB反応性Vβ8陽性T細胞を調べた。レフルノミドによりSEB活性化Vβ8T細胞にp53が誘導されていることが判った。さらにレフルドミドはこれら活性化T細胞に誘導されるPCNA抗原、Cyclin D1などの発現を抑制した。以上の結果より、レフルノミドは活性化T細胞に対して、p53を誘導し細胞周期を停止させ免疫抑制に働くことが示唆された。またレフルノミドはRA滑膜細胞に直接作用し、滑膜細胞からのマトリックスメタロプロテアーゼの産生を抑制した。この作用がp53を介しているかについては、現在検討中である。 これらの結果より、薬剤を用い人為的にp53をリンパ球などの病源性細胞に誘導することは、自己免疫疾患の治療につながることが考えられた。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Migita K, Eguchi K.: "FK506 : Anti-inflammatory properties"Curr Med Chem. 2. 260-264 (2003)
-
[Publications] Migita K, Tanaka F, Abiru S, Ida H, Izumi Y, Kawakami A, Eguchi K: "The role of mitochondria in nitric oxide-mediated thymocyte apoptosis."Immunol Lett.. 9. 87-91 (2003)
-
[Publications] Tanaka F, Migita K, Kawabe Y, Aoyagi T, Ida H, Kawakami A, Eguchi K.: "Interleukin-18 induces serum amyloid A (SAA) protein production from rheumatoid synovial fibroblasts"Life Sci. 74. 1671-1679 (2004)