2002 Fiscal Year Annual Research Report
4C8副刺激が誘導する調節性CD4^+T細胞の免疫学的機能の研究
Project/Area Number |
14570425
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
益山 純一 自治医科大学, 医学部, 講師 (20165731)
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Keywords | 調節性T細胞 / 4C8抗体 / 樹状細胞 / サイトカイン |
Research Abstract |
モノクローナル抗4C8抗体による副刺激で増殖するT細胞が他のCD4^+T細胞の活性化を抑制しうる調節性T細胞(4C8Treg細胞)を誘導することを見出した。平成14年度は、この4C8Treg細胞の機能についてさらに解析し、以下の新しい知見を得た。 1.IL-2以外のIL-7,IL-15のようなサイトカインにもT細胞を活性化させ細胞増殖を促進する作用がある。そこで、4C8副刺激で誘導した4C8Treg細胞への増殖促進作用を調べた。4C8Treg細胞にIL-7,IL-15を添加し、その増殖能力をIL-2と比較したところ、ほぼ同等の細胞増殖が見られた。IL-7,IL-15にもTreg細胞に対して増殖促進作用があることが明らかになった。 2.4C8Treg細胞は抗CD3抗体によるポリクローナルなT細胞活性化を抑制するが、アロ抗原に対するCD4^+T細胞の活性化も同様に抑制するか検討した。単球由来樹状細胞とアロCD4^+T細胞の共培養の系に4C8Treg細胞を添加し培養した。アロT細胞の活性化は4C8Treg細胞の添加によって有意に抑制された。このことから、4C8Treg細胞は臓器移植に伴う移植拒絶反応を抑制しうる細胞である可能性が明らかになった。 3.全身性エリテマトーデス(SLE)患者の活動期には、末梢血中のCD4^+T細胞の4C8抗原の発現が著しく減弱し、ステロイドホルモンの投与による病状回復とともに、4C8抗原発現も再び回復することを見出した。このことから、SLEの病態と4C8抗原の関連性が示唆された。
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Research Products
(1 results)