2004 Fiscal Year Annual Research Report
筋炎特異自己抗体の病因的・臨床的意義とその産生機序の分子機構に関する研究
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14570429
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
平形 道人 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30199046)
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Keywords | 自己抗体 / 自己抗原 / 多発性筋炎・皮膚筋炎 / アミノアシルtRNA合成酵素 / シグナル認識粒子 / Ku(p70 / p80) / 免疫遺伝学的背景 / HLAクラスII |
Research Abstract |
平成16年度は多発性筋炎・皮膚筋炎(PM/DM)患者血清中に見出される自己抗体と関連する免疫学的背景を追究した。 【方法】1)慶應義塾大学および共同研究施設を受診したPM/DMを初めとする各種膠原病患者血清3,550例血清を対象とした。2)自己抗体の検索:HeLa細胞抽出物を用いた免疫沈降法により,患者血清中の自己抗体が認識する核酸成分,蛋白成分を分析した。3)HLAクラスII遺伝子:患者,健常人末梢血白血球より抽出したgenomic DNAを用い,PCR-RFLP法により同定した。【結果】1)抗アミノアシルtRNA合成酵素(ARS)抗体では,抗Jo-1抗体陽性10例中8例(80%)にDRB1^*0405-DQA1^*0303-DQB1^*0401,抗PL-12抗体陽性7例中4例(57%)にDRB1^*1501-DQA1^*0102-DQB1^*0402を認め,健常人に比し有意に高頻度であった。抗KS抗体陽性全4例がDR2を持ち,抗PL-12抗体陽性例の特徴と一致した。2)抗SRP抗体陽性19例中10例(53%)でHLA DR8を認め,高頻度であった。3)抗Ku抗体陽性全21例がDPB1^*0501を持っていた。筋炎を持つ抗Ku抗体陽性13例中10例(77%)がDRB1^*0901-DQA1^*0302-DQB1^*0303を持ち,筋炎を持たない抗Ku抗体陽性例(38%),健常人(28%)に比し,有意に高頻度であった。【結語】筋炎特異自己抗体と免疫遺伝学的背景との関連が示唆された。また,抗KS抗体と抗PL-12抗体が筋炎よりむしろ間質性肺炎と密接に関連する要因として,免疫遺伝学的背景の相違が示唆され,注目された。
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Research Products
(6 results)